【防災士が解説】能登半島地震でビルが横倒しになった本当の原因とは

能登半島地震では多くの建物被害が発生しましたが、その中でも衝撃的だったのが「ビルの横倒し」という被害です。国土交通省の有識者会議により、この被害がなぜ起きたのかが明らかになりました。この記事では、防災士の視点から、原因と私たちが取るべき備えについて解説します。


■① 能登半島地震で起きたビル横倒し事例

石川県輪島市では、地震の揺れによって中規模のビルが横倒しになる被害が発生しました。建物全体が傾くのではなく、完全に横倒しになった点が特徴的で、基礎部分に深刻な問題があったことが示唆されました。


■② 国土交通省の有識者会議とは

国土交通省は、能登半島地震による建物被害の原因を分析するため、有識者会議を設置しました。建築や地盤の専門家が集まり、被害事例を詳細に調査し、最終的な報告案をまとめています。


■③ 最大の要因は「くいの強度不足」

横倒しになったビルでは、地中に埋められた「くい」が破損していました。このくいは、現行の耐震基準が定められた2001年以前に施工されたもので、耐震性の検査が義務付けられていない時代のものでした。


■④ 1975年竣工という旧耐震建物のリスク

問題のビルは1975年に竣工されています。旧耐震基準の建物は、建物本体だけでなく、基礎やくいの耐震性が十分に考慮されていないケースが多く、強い地震では致命的な被害につながる可能性があります。


■⑤ 軟弱地盤が被害を拡大させた

輪島市周辺は地盤が軟弱な地域も多く、強い揺れによって地盤が大きく変形しやすい条件でした。くいの強度不足に加え、地盤の弱さが重なったことで、建物を支えきれなくなったと考えられています。


■⑥ 現行の建築基準との決定的な違い

現在の建築基準では、くいの耐震性能の確認や、建物との接合部の強度検査が義務付けられています。しかし、旧基準の建物ではこれらが不十分なまま使用されているケースも多く、見えないリスクを抱えています。


■⑦ 同じ危険を抱える建物は全国にある

1981年以前、あるいは2001年以前に建てられた建物は、全国に数多く存在します。見た目が無事でも、地中の基礎部分に問題を抱えている可能性があり、次の大地震で同様の被害が起きる恐れがあります。


■⑧ 今すぐできる現実的な防災対策

建物の耐震診断や地盤調査を受けることで、リスクを把握することができます。自治体によっては補助制度も用意されており、早めの確認と対策が命を守る行動につながります。


■まとめ|能登半島地震が教える建物防災の盲点

能登半島地震のビル横倒し被害は、くいの強度不足、旧耐震基準、軟弱地盤という複数の要因が重なって発生しました。建物の安全性は、目に見える部分だけでは判断できません。

結論:
建物の基礎と地盤に目を向けた備えこそが、次の地震で命を守る最大の防災対策です。
防災士として多くの被災現場を見てきましたが、「基礎を確認していれば防げた被害」は決して少なくありません。今できる行動が、将来の被害を確実に減らします。

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