自律型避難は、一度の啓発や訓練で完成するものではありません。現場で機能している地域には、「段階的に身につける仕組み」があります。ここでは、防災士の視点から、自律型避難を地域に定着させるための現実的なロードマップを示します。
■① まず「考え方」を共有する
最初に必要なのは道具ではなく、共通理解です。
「支援は時間差で来る」「無いなら作る」「まず床から離す」
この考え方を、自治体・住民・学校で同じ言葉で共有します。
■② 次に「一つだけ体験」する
全部を一度にやらせないことが重要です。
ダンボールベッド作成、簡易間仕切り作りなど、体験は一つに絞ります。
成功体験が、次の行動を呼びます。
■③ 家庭単位の備えに落とし込む
体験で終わらせず、「家で何を用意すればいいか」を明確にします。
テント一張、毛布、代用品の知識。
家庭でできることに落とし込むことで、実行率が上がります。
■④ 訓練を「繰り返しの形」にする
年1回のイベント型訓練では定着しません。
学校行事、町内会、企業研修など、機会を分散して繰り返します。
少しずつ、当たり前にしていきます。
■⑤ 行動を止めないルールを作る
「勝手にやらないで」という空気をなくすため、
自律的な環境整備を認める方針を明文化します。
これが、現場での最大の後押しになります。
■⑥ 動ける人を可視化する
体験者やリーダー役を名簿化する必要はありません。
「やったことがある人がいる」という認識が、安心感を生みます。
■⑦ 成果を共有し、称える
うまくいった事例、小さな改善を積極的に共有します。
「やってよかった」が見えると、自律型避難は文化になります。
■⑧ 平時の生活に組み込む
キャンプ、学校工作、地域イベント。
平時の活動に組み込むことで、自律型避難は特別なものではなくなります。
■まとめ|自律型避難は「育てる防災」
自律型避難は、一気に完成させるものではありません。
結論:
段階的に体験を重ねることで、自律型避難は地域の力になる
防災士として、いきなり完璧を目指した地域より、小さな体験を積み重ねた地域の方が、災害時に確実に動けていました。
自律型避難は、教え込むものではなく、育てるものです。

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