自律型避難を地域に根づかせるためには、制度や物資だけでは足りません。現場で必要なのは、住民が自ら動き出せるよう背中を押す存在です。その役割を担うのが、防災アドバイザーです。防災士として現場を見てきて感じるのは、住民指導の質が、そのまま避難所の質になるという現実です。
■① 防災アドバイザーは「指揮官」ではない
防災アドバイザーの役割は、命令や統制ではありません。
住民の気づきを引き出し、「それでいい」「やってみよう」と行動を後押しする存在です。
■② 住民指導の出発点は不安の言語化
住民が動けない最大の理由は不安です。
「何が不安か」「どこで困りそうか」を言葉にしてもらうことで、行動の糸口が見えてきます。
■③ 正解を教えすぎない
完成形や正解を先に示すと、住民は考えなくなります。
防災アドバイザーは「どうすれば床から離れますか?」など、問いを投げる役割に徹します。
■④ 小さな行動を肯定する
一箱並べた、毛布を重ねた。
その一歩を「十分です」「それでOK」と肯定することで、次の行動が生まれます。
■⑤ 「無い前提」で考える空気を作る
物資が届く話ばかりすると、住民は待つ姿勢になります。
あえて「今あるもので何ができますか?」と投げかけることが、自律型避難を育てます。
■⑥ 住民同士をつなぐ役になる
防災アドバイザーが全部やる必要はありません。
「この人とこの人、一緒にやってみてください」とつなぐことで、地域の力が動き出します。
■⑦ 行政と住民の橋渡しをする
住民の工夫を行政に伝え、行政の考えを住民に翻訳する。
この橋渡しができる存在がいる地域ほど、現場がスムーズに回ります。
■⑧ 平時から関係性を作っておく
災害時に初対面では、指導は届きません。
平時の訓練や講座で顔を合わせておくことが、最大の信頼づくりになります。
■まとめ|防災アドバイザーは「行動の触媒」
自律型避難を広げる鍵は、知識の量ではありません。
結論:
防災アドバイザーの住民指導は、考えさせ、動かすことに価値がある
防災士として、うまく機能した現場ほど、防災アドバイザーが前に出すぎず、住民の行動を静かに支えていました。
自律型避難を育てるのは、答えを持った人ではなく、行動を引き出せる人です。

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