災害対応の最前線を担う自治体の防災担当者。しかし、多くの場合、その実態は「現場経験の乏しい素人」であることが問題視されています。災害は想定外の連続で発生し、判断の遅れや準備不足が被害拡大につながることがあります。本記事では、現場経験不足の自治体防災担当者が抱える課題と、解決に向けた視点を解説します。
■① 現状:自治体防災担当者の実態
地方自治体の防災担当者は、多くが行政職員から異動して就任しています。専門知識や現場経験は限られており、災害時の判断はマニュアルや先輩職員の指示に依存するケースが少なくありません。
現場経験の乏しさは、初動対応や避難所運営、情報伝達など、緊急時の意思決定に影響を及ぼします。
■② 初動対応の遅れと影響
現場経験不足は、災害発生直後の初動対応に顕著に現れます。例えば、避難勧告のタイミングや避難所開設の判断が遅れ、住民の避難行動が混乱することがあります。
自律型避難を促すには、担当者自身が災害リスクを理解し、現場で迅速に判断できる経験が不可欠です。
■③ 課題:専門知識と実践経験の不足
多くの自治体防災担当者は、防災士や消防経験者でないため、火災や水害、地震の現場におけるリスク把握や優先順位付けが難しいのが現実です。
避難服や応急資材の使い方、危険箇所の判断、二次災害予測など、専門家視点の知識が欠落しており、判断の精度を低下させます。
■④ 誤解されやすいポイント
現場経験が乏しいため、行政は「訓練をすれば十分」と誤解しがちです。しかし、実際の災害では状況が刻々と変化し、マニュアル通りに行動できないことが多々あります。
防災士として感じる行政側の本音は、「現場経験を積ませる余裕がない」という点であり、制度や人的リソースの制約が大きな障壁です。
■⑤ 解決策:兼業や外部専門家の活用
兼業解禁により、消防士や防災士など専門家が自治体の防災業務に関与できる環境を作ることは、現状の課題を解消する有効な手段です。
外部専門家のノウハウを日常的に導入することで、初動対応の精度向上や避難訓練の質の改善につながります。
■⑥ 教育・訓練の重要性
自治体職員には、実践的な防災訓練が不可欠です。机上のマニュアルではなく、屋外での避難所運営訓練や、避難服を使った自律型避難の体験など、現場に即した研修を取り入れることで、実務能力を飛躍的に高められます。
■⑦ コミュニティとの連携
素人の担当者だけでは、住民への指導や安全確保が十分ではありません。地域防災リーダーや兼業専門家との連携を強化することで、災害発生時の意思決定と住民避難行動の精度を向上させることが可能です。
■⑧ 今後の方向性
自治体防災担当者が現場経験を積む機会は限られています。兼業解禁や外部専門家の活用、実践的訓練の導入を進めることで、災害対応力を大きく底上げする必要があります。
また、行政は誤解されがちな「マニュアル遵守=安全」ではなく、臨機応変な判断力を評価する文化を醸成することが重要です。
■まとめ|自治体防災担当者の現状と課題
現状、自治体防災担当者は素人であることが多く、初動対応や避難誘導の精度に課題があります。
結論:兼業解禁や外部専門家の参画、実践的訓練導入により、自治体防災担当者の現場能力を補強し、地域防災力を飛躍的に向上させる
防災士として現場経験を踏まえると、専門家が日常から自治体に関与することで、実際の災害発生時にも迅速かつ適切な判断が可能となり、命を守る行動につながると実感しています。

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