花粉シーズンに災害が重なると、避難所生活は一気につらくなります。避難所は人が密集し、換気や清掃の自由度が下がり、ほこりも舞いやすい。そこに花粉や気温差、ストレスが加わると、鼻炎だけでなく喘息の悪化や睡眠不足につながります。花粉症は命に直結しにくいと思われがちですが、避難生活では「呼吸が苦しい」「眠れない」が積み重なり、体力と判断力を削ります。だからこそ、花粉の時期は“呼吸を守る防災”が重要です。
■① 避難所で花粉症が悪化しやすい理由
避難所では、花粉そのものに加えて悪化要因が重なります。
・人の出入りが多く、花粉が持ち込まれる
・床のほこりが舞いやすい
・換気のタイミングを選びにくい
・睡眠不足とストレスで症状が強くなる
・気温差で鼻や気道が過敏になる
平時より条件が悪い前提で、対策を組み立てる必要があります。
■② 花粉+避難所で怖いのは「喘息・咳の悪化」
鼻水や目のかゆみだけなら耐えられても、咳が止まらない、息がしづらいとなると話は変わります。
・喘息持ちの人は発作リスクが上がる
・咳が続くと体力が削れる
・夜間に眠れず回復が遅れる
呼吸が乱れると不安も増します。花粉対策は“快適のため”だけではなく、“耐災害力を落とさないため”の備えです。
■③ マスクは「性能」より「継続できる形」が強い
避難所では、マスクを長時間つけ続けることが前提になります。
・耳が痛くならない
・息が苦しくならない
・予備がある
この3点が重要です。花粉対策としてはフィルター性能も大切ですが、つけ続けられなければ意味がありません。自分に合う形を平時から決めておくと、避難所で迷いません。
■④ 目と鼻を守る“小さな道具”が避難所で効く
花粉シーズンの避難所では、次の小物が効きます。
・点眼薬、点鼻薬(普段使っているもの)
・ウェットティッシュ(顔、手、スマホの拭き取り)
・使い捨てマスクの替え
・小さなゴミ袋(使用済みマスクの管理)
花粉は「持ち込まない」「落とす」「触らない」が基本です。洗顔できない状況でも、拭き取りだけでかなり楽になります。
■⑤ 寝る場所の工夫で症状は変わる
避難所では、寝場所の工夫が症状に直結します。
・出入口や通路付近は避ける(花粉とほこりが入りやすい)
・換気口の直下を避ける(花粉の流入が増える場合がある)
・床のほこり対策に、タオルや上着を一枚敷く
・顔の近くに衣類や毛布の繊維が当たらないようにする
わずかな差でも、夜の咳や鼻づまりが変わります。
■⑥ 防災士から見た“実際に多かった失敗”
避難所で体調を崩す人に多いのは、物資不足より「無理をして我慢する」ことでした。
・薬が切れても我慢する
・咳が出ても「迷惑だから」と言い出せない
・眠れないまま動き続ける
花粉症や喘息は、我慢すると悪化しやすいです。早めに対処して、体力を温存する方が結果的に周りにも優しい行動になります。
■⑦ 被災地派遣で見た「弱音を吐けない人ほど悪化する」現実
被災地派遣の現場では、軽症に見える人ほど「我慢して限界まで耐える」傾向がありました。特に呼吸や睡眠の不調は、本人が黙ってしまいがちです。避難所では、呼吸が乱れると不安が増し、判断も鈍ります。だから、花粉症や喘息は“健康の問題”であると同時に、“災害時の判断力を守る問題”でもあります。早めに相談し、薬や場所の調整をすることは、回復を早める現実的な備えです。
■⑧ 今日できる最小行動(花粉シーズンの防災セット)
・マスクの予備を数枚だけ増やす
・点眼・点鼻など普段の薬を切らさない
・ウェットティッシュを1つ備える
・症状が強い人は医師の指示薬を確認しておく
・避難所での希望(出入口付近は避けたい等)を家族で共有
この最小行動だけでも、避難所での苦しさは大きく減ります。
■まとめ|花粉シーズンの避難所は“呼吸を守る備え”が耐災害力を上げる
避難所では花粉に加えて、ほこり、ストレス、睡眠不足、気温差が重なり、症状が悪化しやすくなります。特に喘息や咳の悪化は体力と判断力を削ります。対策は、継続できるマスク、薬の確保、拭き取り、寝場所の工夫、早めの相談です。花粉対策は快適のためだけでなく、避難生活を乗り切るための防災になります。
結論:
花粉対策は「呼吸と睡眠を守る防災」。薬とマスクと拭き取りで、避難所の負担は確実に減らせます。
防災士として、被災地派遣で「我慢した人ほど長引く」現実を見ました。早めに整えて、体力と判断力を守ることが、災害後の回復を速くします。

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