災害は命と生活だけでなく、家計や資産にも大きなダメージを残します。
家が無事でも、停電・断水・避難・休業が重なると「想定外の出費」が一気に増えます。
この記事では、災害後に資産が目減りしないための“現実的な備え”を、家庭向けに整理します。
■① 資産を守る防災の基本|「災害=臨時出費の連続」と知る
災害の直後から、家計にはこんな出費が出やすくなります。
・食料と水の買い足し(割高になりやすい)
・電池、ライト、カセットボンベ
・移動費(ガソリン、宿泊、交通費)
・修理費(窓、屋根、給湯器、家電)
・通院、薬、衛生用品
・仕事を休んだ分の減収
「備蓄がある家」ほど、初動の買い物が減り、出費を抑えられます。
■② まず守るのは“現金”|キャッシュが切れると詰む
停電や通信障害で、カード決済やATMが使えないことがあります。
資産を守る第一歩は、現金の確保です。
目安:
・家族人数×1〜2万円(最低ライン)
・可能なら5〜10万円(数日〜1週間の耐性)
小分けにして、
・財布
・防災ポーチ
・持ち出し袋
に分散しておくと安心です。
■③ 保険と公的支援は“知ってる家庭”が強い
災害時は「使える制度」を知っているだけで、資産の減り方が変わります。
・火災保険(風災、水災、破損汚損の補償範囲)
・地震保険(対象、上限、支払い条件)
・罹災証明(支援の入口)
・自治体の見舞金、減免、支援制度
・勤務先の休業補償や共済
防災士として行政側の動きを見ていて感じる本音は、
「制度はあるのに、手続きが遅れて損する人が多い」ということです。
いざという時のために、保険証券・契約内容・問い合わせ先だけはまとめておくと、動きが早くなります。
■④ 証拠が資産を守る|写真とメモが“お金”になる
被害が出たら、まずやることは片付けより記録です。
・外観(屋根、壁、窓、雨樋)
・室内(天井、床、家具、家電)
・壊れた箇所のアップ
・日付が分かる形で撮影
・修理前/修理後を残す
被災地派遣の現場でも、
「写真がない」「片付けてしまった」で、補償や支援が不利になるケースを何度も見ました。
記録は、家計防衛の第一行動です。
■⑤ 住宅の備えは“資産の防災”そのもの
家は多くの家庭にとって最大の資産です。
壊れ方を減らす工夫は、そのまま資産防衛になります。
・家具固定(転倒でケガ+修理費が増える)
・窓の飛散防止(割れると復旧費が跳ねる)
・雨樋や屋根周りの点検(風で損傷しやすい)
・排水口の清掃(豪雨での逆流対策)
大がかりな工事より、まずは「壊れやすい場所から」手を付けるのが現実的です。
■⑥ 停電対策は“家計の損失を減らす装備”
停電は生活だけでなく、お金も削ります。
・冷蔵庫が止まり食材が廃棄
・在宅ワーク不可で減収
・夜間の安全が落ちてケガのリスク
・暖房・冷房が止まり体調悪化→医療費
最低限そろえるなら、優先順位はこの順です。
1) 乾電池式ライト(家の各所に分散)
2) モバイルバッテリー(家族分の運用)
3) 小型ポータブル電源(スマホ複数回+照明)
「大容量をいきなり買う」より、まずは生活の核(通信と灯り)を守る方が効果が出ます。
■⑦ “買いだめ”よりローリングストック|平時の家計も守る
災害前にまとめ買いすると、無駄が増えやすいです。
資産を守るなら、普段の買い物で回すのが正解です。
・水と主食は多めに買って先に古いものから使う
・レトルト、缶詰、即席食品を“食べながら備える”
・子どもの好きなお菓子やゼリーも少し多めに
廃棄が減る=家計が守れる。
これがローリングストックの強さです。
■⑧ 連絡と合流のルールは“余計な出費”を止める
家族の安否が不明だと、探し回るために時間もお金も溶けます。
・集合場所(第一/第二)
・連絡手段の優先順位
・連絡が取れない場合の行動ルール(時間を決める)
この3つを決めておくだけで、
「無駄な移動費」「焦って高額な買い物」を防ぎやすくなります。
■まとめ|資産を守る防災は「現金・記録・制度・停電対策」
災害で資産が減る家庭には共通点があります。
それは「現金がなく、記録がなく、制度を知らず、停電に弱い」こと。
・現金を分散して確保
・被害は写真で残す
・保険と罹災証明を動かす
・停電対策で生活損失を減らす
・ローリングストックで無駄を減らす
・家族の合流ルールで焦り出費を止める
結論:
資産を守る防災は、“お金を増やす”より「減らさない仕組み」を家庭に置くことです。
防災士として現場を見ていると、
「準備が1つあるだけで、災害後の家計は大きく違う」と感じます。
まずは今日、財布と持ち出し袋に“現金を少し分散”するところからでOKです。

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