停電時に最初に落ちるのは、明かりより先に「判断材料」です。情報が取れないと、不安が増え、家族の動きがバラバラになります。キャンピングカー避難は“動ける強み”がある反面、情報と照明を切らすと一気に不利になります。
元消防職員として現場対応をしてきた経験でも、夜間の事故・転倒・火災リスクは「暗さ」と「焦り」がセットで増えます。ここでは、車内で本当に使える防災ラジオとライトの選び方を、迷わない基準でまとめます。
目次
- ■① 車内は暗いと危険(転倒・火災・判断ミスが増える)
- ■② 防災ラジオは“受信と電源”で選ぶ(多機能より安定)
- ■③ ライトは“配置”で勝負(性能より置き方)
- ■④ これだけは欲しい機能(最低ライン)
- ■⑤ 買って後悔しがちな落とし穴(よくある失敗)
- ■⑥ 車内のおすすめ配置(夜中でも迷わない)
- ■⑦ やらなくていいこと(無駄な出費と混乱を減らす)
- ■⑧ 今日の最小行動(5分で完成)
■① 車内は暗いと危険(転倒・火災・判断ミスが増える)
停電の夜に起きやすいのはこの3つです。
- 足元が見えず転倒(特に子ども・高齢者)
- 火気使用の事故(カセット・ストーブ・調理)
- 情報不足による焦り(外に出る/移動する判断が雑になる)
被災地派遣(LOとして避難所・現地調整に入った時)でも、「暗い」「情報が入らない」だけで、人の不安は一気に増えました。キャンピングカーは空間が狭い分、つまずきやすい物が多く、照明の差が安全に直結します。
■② 防災ラジオは“受信と電源”で選ぶ(多機能より安定)
結論は「FM/AMが安定して入ること」と「電源が複数あること」です。
受信はこの順で考える
- FM/AM:基本。災害時も情報が流れやすい
- ワイドFM対応:AMが入りにくい地域の保険になる
- 受信感度の評判:スペックより口コミ・実績が重要
電源は“複線化”が命
- 乾電池:最優先(停電でも確実)
- USB給電:ポータブル電源・車から給電できる
- 手回し:緊急用として“ゼロではない”が、過信は禁物
多機能モデルは魅力的ですが、災害時は「確実に動く」が勝ちです。ボタンが多いほど、家族が使えないこともあります。
■③ ライトは“配置”で勝負(性能より置き方)
ライトは明るさより「どこにあるか」が9割です。車内では次の3系統を作ります。
- 手元灯:すぐ掴める(ヘッドライト/小型ライト)
- 室内灯:車内全体を照らす(ランタン)
- 屋外灯:車外作業・移動(懐中電灯)
現場でも、ライトがあっても「探している間に転ぶ」が多発します。暗闇で探さない仕組みにしてください。
■④ これだけは欲しい機能(最低ライン)
防災ラジオの最低ライン
- FM/AM(できればワイドFM)
- 乾電池対応
- イヤホンでも聞ける(周囲に配慮しつつ情報確保)
- 操作がシンプル(家族全員が使える)
ライトの最低ライン
- ヘッドライト:両手が空く(トイレ・片付け・車外作業に強い)
- ランタン:車内照明の主役
- 予備電池 or 充電手段:停電が長引く前提で用意
「ヘッドライトがある家」は、停電対応が一段楽になります。暗闇での作業が“安全に”できるからです。
■⑤ 買って後悔しがちな落とし穴(よくある失敗)
- 手回しだけに依存(疲れる/回す時間が現実的でない)
- 充電式のみで運用(電池切れで終わる)
- 明るすぎるライトを1本だけ(眩しくて車内では逆に使いにくい)
- ラジオが操作複雑(家族が使えず結局スマホ頼み)
- 予備電池を買わない(本体だけ買って満足して詰む)
「買う」より「回る運用」に寄せた方が、確実に強いです。
■⑥ 車内のおすすめ配置(夜中でも迷わない)
車内は“定位置固定”で勝ちます。おすすめはこの配置です。
- 運転席:小型ライト1本(緊急停止・外の確認)
- 出入口:ランタン1つ(乗り降りの転倒防止)
- トイレ用品箱:ヘッドライト(夜間の最優先)
- 就寝スペース:小型ライト(子どもが起きた時に即対応)
- ラジオ:ダイネットやテーブル周り(家族が集まる場所)
さらに、ライトは「同じ場所に戻す」ルールを家族で決めてください。これだけで夜間事故はかなり減ります。
■⑦ やらなくていいこと(無駄な出費と混乱を減らす)
- 高機能ラジオを追いすぎる(受信と電源が先)
- 超大光量ライトを1本だけ買う(分散配置の方が強い)
- 充電式だけで統一する(乾電池の保険を捨てない)
- “全部スマホで”に寄せる(停電は電池との戦いになる)
災害時は、最強スペックより“安定して使える”が正解です。
■⑧ 今日の最小行動(5分で完成)
- 車内ライトを「出入口」「就寝」「トイレ箱」に1本ずつ置く
- ヘッドライトを1つ決めて、トイレ箱に固定する
- ラジオの電源を乾電池にして、受信テストを1回だけする
- 予備電池を“本体の近く”に置く
これだけで、停電の夜の不安が一段落ちます。
■結語
キャンピングカー避難の強みは「動ける」ことですが、暗闇と情報不足で判断が鈍ると、その強みが消えます。
防災ラジオは“受信と電源”、ライトは“配置”。この2つだけ押さえれば、停電でも家族の安全と落ち着きが保てます。
出典:消防庁「地震災害に備えて(家具の転倒防止・停電時の注意等)」https://www.fdma.go.jp/relocation/bousai/gensai/jishin/

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