災害時、避難所が満員だったり自宅が使えない場合、「車中泊」が命をつなぐ選択肢になることがあります。特に軽自動車は手軽で機動力があり、多くの家庭で現実的な避難スペースとなります。私が熊本地震や能登半島地震で活動した際にも、軽自動車で夜を過ごす方はとても多く、その快適性と安全性が大きな課題でした。ここでは、軽自動車での車中泊を“冬でも快適に、安全に”行うためのポイントを解説します。
■① 軽自動車でも快適に眠るための「フルフラット化」
軽自動車はシートアレンジ次第で、意外と快適な寝床を作れます。
ポイントは以下の3つです。
- 前後シートを倒し、段差をマットで吸収する
- 銀マットやキャンプマットで冷気を遮断
- 足元のスペースを活かし、体勢を崩しにくい形にする
地震派遣時に車中泊を余儀なくされた住民の方も「マットのある・なしで眠りの質が全然違う」と話していました。
■② 冬の寒さ対策は「下から断熱」が命を守る
車内は底冷えが強く、床面から体温が奪われやすいのが特徴です。
特に冬は凍えるような冷えが続き、低体温症の危険が高まります。
有効なのは以下の装備です。
- 銀マット(地面の冷気を遮断)
- 寝袋(3シーズン以上推奨)
- ブランケット・湯たんぽ
- カイロ(背中・腰)
実際に能登半島地震では、寝袋を持っていた人と持っていなかった人で体調に大きな差が出ました。
■③ 換気不足は危険|一晩中わずかな空気の流れを確保
冬は車内を閉め切りたくなりますが、結露と酸欠の危険が増します。
対策として、
- 窓を1cmほど開けて専用の網戸カバーを使用
- 送風モードで空気を循環
- 結露がひどい時は窓をタオルで拭き取り湿気を逃す
避難所で健康被害が出たケースでも、換気不足が多く影響していました。
■④ プライバシー確保は安心と睡眠の質に直結
災害時の車中泊では「周囲の目」が大きなストレスになります。
便利なのは以下のアイテムです。
- サンシェード
- 目隠しカーテン
- タオルでの簡易仕切り
安心感が生まれることで、睡眠が深くなり翌日の体調が大きく変わります。
■⑤ ポータブル電源は“冬の車中泊の心臓”
スマホの充電・照明・電気毛布に使えるため、冬は特に重要です。
使用例
- 電気毛布(消費電力が低く効率的)
- LEDランタンの充電
- スマホ2台以上の連続充電
私が被災地で見た中でも、電気毛布を使えた家庭は圧倒的に快適でした。
■⑥ こまめな水分補給でエコノミークラス症候群を予防
冬は喉の渇きに気づきにくく、水分不足になりがちです。
これが血栓を作り、エコノミークラス症候群の原因になります。
対策
- 2〜3時間に1度は水を飲む
- 膝の曲げ伸ばし・軽いストレッチ
- 長時間の同じ姿勢は禁止
熊本地震時も、車中泊中のエコノミー症候群は深刻な問題でした。
■⑦ 災害時に役立つ「最低限の生活セット」を常備しておく
軽自動車に積んでおくと安心できるものは以下です。
- カセットコンロ・ガス
- 毛布・タオル
- 水・行動食
- モバイルバッテリー
- 常備薬・簡易トイレ
“車内だけで一晩過ごせる環境”を作ることが命を守ります。
■⑧ 車中泊はあくまで一時的な選択肢。安全な場所へ移動する判断も重要
車中泊は非常時の避難方法の一つですが、長期化すると体調も崩しやすくなります。
可能であれば…
- 避難所の空き情報を確認
- 親戚や知人宅への避難
- 自衛隊・自治体が開設した臨時避難所へ
安全を常に優先し、柔軟に避難先を選ぶことが大切です。
■まとめ|軽自動車の車中泊は“事前準備”で快適性と安全性が大きく変わる
軽自動車での車中泊は、災害時の強力な避難方法になります。
しかし準備が不十分だと、寒さ・疲労・ストレス・健康被害につながりかねません。
結論:
軽自動車での車中泊は、防寒・断熱・換気・電源の4つを整えることで、冬でも命と体調を守れる“安全な避難スペース”になる。
被災地で多くの車中泊を見てきた経験からも、事前準備の差がそのまま快適性と健康状態に直結することを強く感じています。

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