【防災士が解説】通信途絶で迷ったら|情報源を切り替える“5分ルール”と家族の合流設計

災害で一番焦るのが「情報が入らない」瞬間です。
スマホはあるのに、つながらない。
通知が来ない。
家族の返信もない。

でも、通信が弱いときほど、やるべきことはシンプルです。
さっと始めるなら、まずは“切り替えの順番”だけ決めておけばOK。


■① 結論|迷ったら「5分で切り替える」それだけで助かる

通信が不安定なときは、粘り続けないのが正解です。

結論はこれです。
同じ手段で5分粘ってダメなら、次の情報源へ切り替える。

災害時は「つながらない時間」を前提に動いたほうが安全です。
つながるまで待つより、別ルートで“必要な情報”を確保します。


■② なぜ切り替えが大事?|通信は「災害の種類」で一気に変わる

通信が途絶する理由は、あなたのスマホが悪いからではありません。

・基地局が停電している
・回線が混雑している(アクセス集中)
・設備が被災している
・避難所や駅など人が密集している
・山間部・沿岸部など地形の影響がある

だから、同じ場所で同じ操作を続けても改善しないことが多い。
現場では「切り替えが早い人ほど落ち着いて動ける」傾向があります。


■③ 5分でできる|情報源切り替え“優先順位”の基本

迷いを消すために、順番を固定します。

① まずは電源と機内モード

・省電力モードON
・機内モードON→30秒→OFF
・再起動(状況によって)

ここで回復することもあります。

② SNSより先に「公式情報」

・自治体の防災サイト
・気象庁(地震・津波・警報)
・NHKなど速報性の高い報道
・防災アプリのプッシュ通知

情報が薄くても、一次情報が最優先です。

③ 通話が無理なら「短文通信」に寄せる

・SMS(短文)
・LINEは短文+スタンプ1個程度
・写真や動画の送信は後回し

災害時は長文より短文が通りやすい。

④ それでもダメなら「音声+電波の別ルート」

・ワイドFM(ラジオ)
・手回しラジオ
・車のラジオ
・避難所の掲示板・役所の掲示

通信が死んでも、情報は別の形で流れます。


■④ 家族連絡が取れないときの“固定文”テンプレ

通信が弱いときは、文章を考えるほど送れません。
固定文を決めておくと早いです。

・「無事。いま○○。移動しない」
・「避難所○○にいる。迎え不要」
・「学校で待機。先生の指示に従う」
・「連絡不可。次は○時に再送」

短文で十分です。
大事なのは“意思決定”が伝わることです。


■⑤ 現場で多い失敗|「連絡が取れない」焦りで動いてしまう

防災士として災害対応の現場で見てきたのは、
通信途絶で一番危ないのは“探しに行く行動”です。

・家族を探して移動し、危険区域に入る
・余震や倒壊、津波、土砂の二次災害に巻き込まれる
・結局すれ違い、合流が遅れる

通信は「取れない前提」で設計するほうが助かります。


■⑥ 連絡不能前提の合流設計|“動かない避難”が強い

通信が切れるときに効くのは、合流のルールです。

・集合場所を1つ決める(第2候補も)
・「○時間は動かない」を決める
・学校・職場は原則「迎えに行かない」を前提にする
・夜間は無理に移動しない

現場感覚で言うと、動いた人ほど危険に近づきやすい。
「動かない避難(体力温存)」は、通信途絶時に特に強い設計です。


■⑦ “格安SIM・サブ回線”の考え方|メイン停止に備える

通信は一社に寄せるほど、障害時に家族全員が止まります。
だから、家庭単位で“分散”が効きます。

・夫婦で別キャリアにする
・デュアルSIM(物理SIM+eSIM)で二重化
・格安SIM(MVNO)は「サブ回線として」持つ発想

混雑時、とくにMVNOでは速度低下が起こりやすいと指摘されています。
メイン回線を支える“保険”として持つと、防災的には価値が高いです。


■⑧ 今日できる最小行動|「5分ルール」と「固定文」だけ決めればOK

今日やるならこれだけで十分です。

・通信が弱いときは「5分で切り替え」
・家族の固定文を3つ作ってメモに保存
・集合場所と「動かない時間」を決める

完璧じゃなくて大丈夫です。
とりあえず1つからでOK。
“切り替え手順”があるだけで、通信途絶の不安は一気に減ります。


■まとめ|通信は「切れた前提」で設計すると助かる

結論:
同じ手段で5分粘ってダメなら、情報源を切り替える。連絡不能前提の合流ルールが命を守ります。

被災地派遣で強く感じたのは、
通信が切れた瞬間に「探しに行く」判断が二次災害を呼ぶことがある、という現実です。
だからこそ、家庭で先に“動かない設計”を作っておくことが大切です。

出典:総務省「災害時における通信確保(災害用伝言サービス等)」

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