通信が途絶えると、人は一気に不安になります。
・家族の安否が分からない
・災害の規模が分からない
・次に何が起きるか分からない
・噂だけが増える
・眠ろうとしても頭が止まらない
結論から言うと、通信途絶の不眠は「情報がない不安」ではなく、
「判断できない不安」が原因です。
だから対策は、情報を増やすより先に、
“判断できる材料”を少しでも作ることです。
ここでは、通信途絶の避難で眠れない夜を乗り切るための現実的な方法をまとめます。
■① 通信が切れると眠れないのは当たり前(脳が危険を監視する)
人間は、不確実な状況で警戒を強めます。
通信が切れると、脳はこう判断します。
・危険が近いかもしれない
・逃げるべきかもしれない
・家族が危ないかもしれない
つまり脳は「寝るな」と命令します。
これは生存反応です。
問題は、眠れないまま体力が削れて判断力が落ちること。
ここを防ぐのが目的です。
■② 被災地で多かったのは「噂で不安が増幅する」パターン
被災地派遣の避難所でよく見たのは、
・通信がない
・公式情報が届かない
・人の話が増える
・不安が増幅する
・眠れない
という流れです。
噂は、安心のために広がりますが、
多くは不確実で、脳をさらに興奮させます。
だから必要なのは、“情報の入口”を絞ることです。
■③ まずやるべきは「公式情報の入口」を1つ作る
通信途絶でも、情報ゼロにはしない方法があります。
■避難所で確認する(最優先)
・館内放送の時間
・掲示板の更新時間
・責任者(誰に聞けば良いか)
・次の情報共有のタイミング
「いつ情報が来るか」が分かるだけで、不安は大きく減ります。
脳が“待てる”状態になります。
■④ 家族の安否不安を減らす「再会ルール」を決める
連絡が取れないときほど、ルールが効きます。
・会える場所(避難所/指定場所)
・会えない場合の次の場所
・時間の区切り(例:明日10時に再確認)
ルールがないと、脳は無限に探索を続けます。
ルールがあると、脳は“保留”できます。
■⑤ 噂に巻き込まれない「聞き方」
通信途絶の避難所では、噂が強いです。
噂を完全に遮断するのは無理なので、聞き方を変えます。
・「それは誰が言ってました?」
・「公式の発表ですか?」
・「確認できてますか?」
これだけで、噂の不確実性が見えるようになります。
不安が減ります。
■⑥ 眠れない夜に効くのは「できること」リスト(3つだけ)
情報がないとき、人は無力感で不安になります。
だから“できること”を3つに絞ってやります。
例)
・水の確保
・体温の確保
・寝床の確保
この3つは通信がなくてもできます。
「今できることを終えた」と脳が判断すると、警戒が下がります。
■⑦ 体を先に落とす(情報不安は呼吸で下がる)
通信途絶の不眠は、頭の問題に見えて体の問題でもあります。
体が緊張していると、思考は止まりません。
・鼻から4秒吸う
・口から8秒吐く
2〜3分
吐く時間を長くするほど、警戒モードが落ちやすいです。
■⑧ 眠れないときの正解は「眠る」ではなく「体力温存」
通信が戻るまで、完璧な睡眠は難しい日もあります。
正解は、
・横になる
・目を閉じる
・体温を守る
・呼吸を続ける
これで翌日の判断力が残ります。
■まとめ:通信途絶の不眠は“情報入口を作り、判断材料を増やす”で改善する
1)公式情報の入口を1つ作る(放送・掲示・責任者)
2)家族の再会ルールを決めて脳を保留にする
3)噂は「誰が言ったか」で仕分ける
4)できること3つを終わらせて無力感を減らす
5)呼吸で警戒モードを落とす
6)眠れなくても横になって体力温存
通信がない夜は、誰でも不安になります。
でも、仕組みを作れば、心は少し落ち着きます。

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