災害時の避難所生活では、「洗濯」と「乾燥」が大きな課題になります。着替えが限られる中で、衣類を清潔に保てるかどうかは、体調やメンタルに直結します。現場では針金ハンガーが使われることが多い一方、不足する場面も少なくありません。ここでは、元消防士の視点から、避難所で実際に役立つ洗濯ハンガーの工夫と代替方法を紹介します。
■① 避難所における洗濯と乾燥の現実
避難所では、
・洗濯物を干すスペースが限られる
・室内干しが中心になり乾きにくい
・共用空間での洗濯はプライバシーの問題が生じやすい
といった課題があります。衣類が乾かない状態が続くと、皮膚トラブルや感染症リスクが高まります。だからこそ、「いかに早く、衛生的に乾かすか」が重要になります。
■② 一般的に使われる針金ハンガーの特徴
多くの避難所では、支援物資や備品として針金ハンガーが配布されます。
針金ハンガーは軽量で加工しやすく、数を確保しやすいのが利点です。
一方で、
・衣類同士の間隔が狭く乾きにくい
・変形しやすい
という弱点もあります。
■③ ペットボトルを使ったハンガーDIYの方法
針金ハンガーがある場合、空のペットボトルを組み合わせることで乾燥効率を大きく高められます。
方法はシンプルです。
針金ハンガーの左右先端を軽く潰し、空のペットボトルに差し込みます。これにより、Tシャツなどの衣類の内側に空間が生まれ、空気の通り道が確保されます。
結果として、
・室内干しでも乾きやすくなる
・生乾き臭を防ぎやすい
という効果が期待できます。
■④ プライバシーとストレス軽減への効果
避難所では、洗濯物を人目にさらすこと自体がストレスになる場合があります。
ペットボトルハンガーを使うことで、
・コンパクトに干せる
・自分のスペース内で乾燥しやすい
といった利点があり、生活ストレスの軽減にもつながります。
■⑤ その他の代替ハンガー・物干しアイデア
避難所では、状況に応じて柔軟な工夫が求められます。
・ロープと洗濯ピンチを使い、梁やパイプに簡易物干しを作る
・針金ハンガーを曲げて物干し竿のように連結する
・段ボール箱を立てて簡易物干し台として活用する
これらは、ポリ袋を使った簡易洗濯と組み合わせることで、初期段階でも洗濯環境を整えやすくなります。
■⑥ 衛生管理の観点で気を付けたいポイント
洗濯物を干す際は、
・床に直接触れさせない
・湿気がこもらないよう間隔を空ける
・乾き切るまで畳まない
といった点を意識することが重要です。これは感染症や皮膚トラブルの予防につながります。
■⑦ 防災備蓄として意識したいアイテム
事前の備えとして、
・軽量の折り畳みハンガー
・洗濯ロープ
・洗濯ピンチ
を少量でも備えておくと、避難所生活の質が大きく変わります。ペットボトルは現地調達しやすいため、組み合わせる発想が有効です。
■⑧ まとめ|洗濯環境は「生活の耐災害力」を支える
避難所生活では、食料や水だけでなく、「清潔を保つ工夫」が生活を支えます。
ペットボトルを使った簡易ハンガーは、特別な道具を必要とせず、すぐに実践できる方法です。
洗濯と乾燥を工夫することは、体調を守り、心の余裕を保つことにも直結します。
こうした小さな知恵の積み重ねが、避難生活を壊れにくくする防災につながります。

コメント