避難所で最も多い相談のひとつが
「子どもが配布された食事を食べてくれない」 という問題です。
私は被災地支援の現場で、
・おかずを一切食べられない
・知らない味が怖い
・匂いで気持ち悪くなる
・硬さや温度が気になって食べない
といった子どもたちを何度も見てきました。
これは“わがまま”ではなく、環境ストレスによる防衛反応です。
ここでは、子どもが避難所で安心して食べられるようにするための、家庭での具体的な備え方を解説します。
■① 避難所の食事は「子ども向きではない」ことを前提にする
避難所の食事は、栄養バランスよりも
✔ 保存性
✔ 大量供給
✔ アレルギー配慮最小限
などが優先されます。
そのため、子どもが苦手な
・濃い味
・独特の匂い
・硬い食感
になりやすい。
まずは「食べられないのが普通」という視点を持って備えることが大事です。
■② “いつもの味”をそのまま持っていく
子どもが一番安心するのは、
家で食べ慣れている味。
特におすすめなのは:
- 好きなふりかけ
- 甘口レトルトカレー
- いつものスープ
- 食べ慣れたおかゆ
- 子ども用シリアル
被災地では、これらがある家庭ほど子どもが落ち着いていました。
■③ 小腹満たしの“間食”が重要
避難所では食事時間が固定されており、
お腹がすいてもすぐ食べられないことが多い。
そこで役立つのが小袋のおやつ:
- 小袋せんべい
- 一口ゼリー
- 干し芋
- カットフルーツ缶
- ビスケット
“少し食べられるもの”があるだけで不安が緩和されます。
■④ 甘いものは“情緒安定”に効果あり
災害時、子どもはいつもよりストレスを受けています。
血糖値が下がると情緒不安になりやすい。
おすすめ:
- チョコレート
- フルーツゼリー
- カステラ小分け
- 乳酸菌飲料(パウチ)
甘いものは「心の応急処置」です。
■⑤ アレルギー持ちの子は“専用セット”が必須
避難所の食事はアレルギー対応が十分とは言えません。
アレルギー持ちの子どもがいる家庭は
専用非常食セット
を必ず準備してください。
例:
- アレルギー配慮レトルト食品
- アレルギー対応クッキー
- 豆乳・米乳のパック
- アレルゲン表示のメモ
避難所ではこれが“命綱”になります。
■⑥ 水分補給は「味付き」が飲みやすい
緊張していると水だけでは飲めない子が多い。
以下が役立ちます:
- スポーツドリンク
- 乳酸菌飲料(常温可)
- 経口補水パウダー
- フレーバーウォーター
脱水は子どもの体調悪化につながりやすいので注意が必要です。
■⑦ 食べ物を温められる準備があると強い
子どもは“温かい”ことに安心します。
準備しておくと便利なもの:
- カセットコンロ
- 使い切りガス缶
- スープ系の食品
- レトルトおかゆ
被災地では「温かい食事が食べられた家庭」は本当に強かった。
■⑧ 親が焦らないことが何より大事
避難所で一番子どもを不安にさせるのは
親の焦りや不機嫌。
「無理して食べなくていいよ」
「あとで食べられるもの探そうね」
と声をかけてあげるだけで、表情が落ち着きます。
■まとめ|“好きな味”は子どもの命を守る備え
結論:
避難所で子どもを守るのは、普段食べ慣れた“いつもの味”。 好き嫌いは災害時の生存戦略である。
元消防職員・防災士として、
避難所で食事を食べられない子どもを何度も見てきました。
そのたびに思ったのは、
「家庭の味が入った非常食セットは、命と心を守る」という事実です。
子どもが“安心して食べられるもの”を、今すぐ1週間分そろえてください。

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