災害は、弱い人ほど大きな被害を受けます。
高齢者、障がいのある方、乳幼児、妊婦、病気やケガで歩けない人、日本語がわからない外国人。
こうした人たちは、災害時に自力で避難することが難しく、支援が遅れると命に直結してしまいます。
この記事では「避難行動要支援者とは何か?」「家族や地域は何ができるのか?」を防災士の視点でわかりやすく解説します。
◆ 避難行動要支援者とは?
国が定めている対象者は次の通りです。
・高齢者(特に一人暮らし、足腰が弱い、認知症)
・障がいのある方(身体・知的・精神)
・乳児、幼児、妊娠中の方
・病気やケガで動けない人
・災害情報が理解できない人
・日本語がわからない外国人
簡単に言えば、「自力で避難できない人すべて」が避難行動要支援者です。
◆ なぜ危険なのか?
災害は待ってくれません。
避難が遅れれば、逃げ道が無くなることもあります。
避難行動要支援者には、次のようなリスクがあります。
・避難情報が伝わらない
・避難場所へ移動できない
・判断が遅れる
・支援者がいないと避難できない
災害時は時間との戦いです。
支援なしでは逃げ遅れが起き、命の危険につながります。
◆ 実際に起きた例
・熊本地震では、家屋倒壊により高齢者や障がい者の救助が遅れた
・豪雨災害では、車いすや歩行困難で避難所へ行けず、孤立した事例がある
・水害では、浸水スピードが速く、動けない人から被害が出やすい
災害は「弱い人」を狙いませんが、結果的に大きな負担が集中します。
◆ 家族や地域ができる備え
1.個別の避難計画を作る
紙に書くだけでOKです。
次のことを決めておくと、いざという時の迷いが無くなります。
・どこに逃げるか
・誰が付き添うか
・連絡手段はどうするか
・夜間、雨、停電時の動き方
計画のある家は助かる確率が高くなります。
2.近所や自治会とつながる
災害で強いのは「つながりがある地域」です。
・声をかけられる関係作り
・避難の手伝いをしてくれる人
・安否確認をしてくれる人
人とつながることが、最高の防災になります。
3.本人専用の防災グッズを準備
一般的な非常持ち出し袋だけでは足りません。
・薬やお薬手帳
・杖や歩行補助具
・おむつ、ミルク、離乳食
・車いすのバッテリーや空気
・コミュニケーションカード
「その人に必要な物」を用意することが命を守ります。
◆ 自治体の支援とは?
多くの自治体には「避難行動要支援者名簿」があります。
これは、災害が起きた際に支援が必要な人を把握するための仕組みです。
名簿に登録されると、
・安否確認
・避難の手伝い
・避難情報の伝達
など、行政や地域の支援につながります。
ただし、プライバシーのため登録を希望しない人もいます。
大切なのは「助けてほしい時に助けてもらえる環境を作っておくこと」です。
◆ 支援する側が気を付けること
・プライバシーの尊重
・急に家へ入らない
・障がいや特性を理解した対応
・大きな声や強い指示を避ける場合もある
支援は「優しさ」だけでなく、「正しい理解」が必要です。
◆ まとめ
・避難行動要支援者は、自力で避難が難しい人のこと
・災害時、逃げ遅れは命の危険につながる
・家族、近所、地域、行政の連携が必要
・小さな準備が、命をつなぐ力になる
災害は「弱い人を優先して守る社会」でなければいけません。
そしてその支援は、いつか自分や家族にも必要になるかもしれません。
今日できる防災は、一人とつながること。
声をかける、連絡先を交換する。
その一歩が、命を救う行動になります。

コメント