【防災士が解説】防災アプリ「やまもり」の本当の価値|受付迅速化だけで終わらせない使い方

山形県は2026年2月13日(金)より、
防災アプリ「やまがた安心ポータル『やまもり』」の運用を開始しました。

防災情報の取得に加え、避難所受付の迅速化やニーズ把握まで可能にする仕組みです。

しかし、防災アプリは“入れるだけ”では意味がありません。
本当に大切なのは、平時からの使い方です。


Table of Contents

  • ■① 防災アプリが持つ本来の役割
  • ■② 「やまもり」の正式機能
  • ■③ 避難所受付迅速化の現実的効果
  • ■④ マイナンバーカード(JPKI)の位置づけ
  • ■⑤ デジタル化のメリットと限界
  • ■⑥ 被災地で見た受付の混乱
  • ■⑦ 今日できる準備
  • ■⑧ やらなくていい誤解
  • ■結語|「暮らしのお守り」にするために

■① 防災アプリが持つ本来の役割

防災アプリの本質は「通知」ではありません。

  • 情報の一元化
  • 避難所受付の効率化
  • 物資・困りごとの可視化
  • 行政との迅速な接続

紙と口頭中心だった避難所運営を、
情報管理型へ進化させる補助ツールです。


■② 「やまもり」の正式機能

公式発表で確認されている主な機能は以下の通りです。

  • 大雪などの注意喚起通知
  • 防災関連セミナー・講演会情報
  • 事前登録による避難所受付迅速化(QRコード読み取り)
  • 物資や困りごとのアンケート機能
  • 県公式防災サイトへのリンク集

事前登録を行い、避難所で二次元コードを読み取ることで受付が完了する仕組みです。

これは実務上、非常に大きな効果があります。


■③ 避難所受付迅速化の現実的効果

発災直後の避難所では、

  • 名簿手書き
  • 家族単位確認
  • 物資ニーズ聞き取り

が集中し、長時間待機が発生します。

受付が遅れると、

  • 体調悪化
  • 高齢者の疲労
  • 情報の混乱

が起きやすくなります。

デジタル受付は、
初動混乱を減らすための現実的な手段です。


■④ マイナンバーカード(JPKI)の位置づけ

全機能利用には、マイナンバーカードの公的個人認証(JPKI)が必要です。

事前本人確認が済んでいれば、

  • 本人確認作業の簡略化
  • 世帯情報の正確性向上
  • 運営側の負担軽減

につながります。

知事はこのアプリを「暮らしのお守り」と表現しました。

ただし、
カード未所持者や操作困難者にも配慮し、
従来受付方法との併用が前提です。


■⑤ デジタル化のメリットと限界

【メリット】

  • 情報共有が速い
  • データ集計が可能
  • 重複支援の防止

【限界】

  • 通信障害時は機能制限
  • 高齢者が操作困難な場合あり
  • バッテリー依存

公式もオフライン対応を想定しています。

防災は「デジタルかアナログか」ではなく、
併用が前提です。


■⑥ 被災地で見た受付の混乱

被災地派遣時、
受付待ちが数時間に及ぶ避難所を経験しました。

名簿が手書きで、
物資申請も紙ベース。

集計に時間がかかり、支援が遅れる。

もし事前登録があれば、
混乱は軽減できた可能性があります。

だからこそ、
平時の登録が意味を持つのです。


■⑦ 今日できる準備

  • アプリをインストール
  • 事前登録を完了
  • 家族で操作確認
  • 通知設定を確認
  • モバイルバッテリーを備える

災害時に初めて触るのでは遅い。

準備は平時です。


■⑧ やらなくていい誤解

やらなくていいこと。

  • アプリがあるから備蓄不要
  • 通知が来るまで動かない
  • デジタルに完全依存

アプリは判断補助ツールです。

最終判断は、自分と家族です。


■結語|「暮らしのお守り」にするために

防災アプリは魔法ではありません。

しかし、
正しく準備すれば、
避難所の混乱を減らす力を持っています。

入れる。
登録する。
家族で確認する。

それだけで未来の混乱は少し減ります。

小さな準備が、大きな安心につながります。


出典

山形新聞「防災情報を手軽に入手 県、アプリ『やまもり』運用開始」(2026年2月13日)

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