熊本市で開催された「防災士フォローアップ研修」。
防災士の資格は、取得して終わりではありません。
学び続け、つながり続け、地域で動ける状態を保つこと。
これこそが、本当の防災力です。
元消防職員・防災士として現場を見てきた立場から、
「なぜ防災士の研修が重要なのか」を解説します。
■① 結論|防災士は“更新型の実践資格”である
資格は紙ではありません。
災害は毎年変わる。
気象も変わる。
地域の人口構成も変わる。
だからこそ、防災士には
- 情報のアップデート
- 地域ネットワークの再確認
- 判断力の再訓練
が必要です。
フォローアップ研修は、そのための“再起動の場”です。
■② 熊本地震から10年|風化を防ぐのが防災士の役割
熊本地震から10年。
節目の年に研修が開かれた意味は大きい。
災害は、
「経験した人」と「知らない世代」が混在する段階に入ります。
防災士の役割は、
- 記憶を風化させない
- 経験を言語化する
- 次世代へ伝える
こと。
研修で得た知識を、家庭や地域へ広げることで、
個人防災から地域防災へ進化します。
■③ 地域防災リーダー制度の意義
研修では「地域防災リーダー制度」の紹介も行われました。
重要なのは、
行政と防災士がつながる仕組みがあること。
災害時、
- 誰が動くのか
- 誰に連絡が入るのか
- どこで支援要請が来るのか
これが明確であることは極めて重要です。
現場では、
“善意はあるが動線がない”ことで混乱が起きます。
制度と顔の見える関係づくりは、
平時にしか作れません。
■④ マイタイムラインは「思考訓練」
ワークショップで作成された「マイタイムライン」。
これは単なる紙の計画ではありません。
- 情報が出たらどう動くか
- 家族構成で何が変わるか
- 何分前に何をするか
時間軸で考える訓練です。
元消防職員として感じるのは、
実際の災害では
「迷った人から動けなくなる」ということ。
マイタイムラインは、
迷いを減らすための事前演習です。
■⑤ 気象情報を“受け身にしない”姿勢
線状降水帯の解説や豪雨事例の振り返り。
ここで重要なのは、
情報を待つのではなく、取りに行く姿勢。
防災士ができること:
- 気象庁サイト確認
- 市町村防災メール登録
- ハザードマップの再確認
- 家族への共有
“知っている”と“動ける”は違います。
研修は、その差を埋めます。
■⑥ 現場で痛感する「つながり」の力
被災地派遣で何度も感じました。
一人の知識より、
横のつながりの方が強い。
- 物資情報
- 避難所状況
- 高齢者の安否
- 要配慮者の支援
これらはネットワークで回ります。
研修で顔を合わせることは、
災害時の即応力を高める投資です。
■⑦ 防災士が地域で果たすべき役割
防災士はヒーローではありません。
- 家庭の防災を整える
- 近所に声をかける
- 自治会で情報を共有する
- 高齢者に寄り添う
その積み重ねが、地域の耐災害力を上げます。
資格を持つ人が“静かに動く”ことが、
最も強い防災です。
■⑧ 今日できる最小行動
防災士の方へ。
- 自分の地域のハザード再確認
- 家族と避難判断の再共有
- 近隣防災士と連絡先交換
- 次回研修への参加表明
学び続ける姿勢が、
地域の安心になります。
■結語|防災士は「資格」ではなく「役割」
防災士フォローアップ研修は、
知識の更新
つながりの再確認
判断力の強化
の場です。
災害は必ず来る。
その時、
“あの研修があったから動けた”
と言える防災士が地域にいること。
それが、命を守ります。
出典
熊本経済新聞「熊本市で防災士フォローアップ研修」記事


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