災害時のケガは、大きな負傷よりも「小さなケガの連鎖」で避難生活を壊します。特に車で避難できても、外に出た瞬間に飛来物・ガラス・落下物・瓦礫で一発アウトになることがあります。
被災地の現場でも、頭部と手のケガはその後の生活に直結しやすく、「動けない」「片付けられない」「避難行動が遅れる」原因になりがちでした。ここではキャンピングカー避難を前提に、必要最小限の保護具を“運用まで”含めて整理します。
目次
- ■① なぜ保護具が必要か(ケガは避難を止める)
- ■② 最優先は「頭」:ヘルメットの選び方
- ■③ 次は「目」:ゴーグル・防塵メガネの現実解
- ■④ 「手」と「足」:瓦礫環境で生き残る装備
- ■⑤ 車内収納のコツ(取り出せないと意味がない)
- ■⑥ 家族(子ども・高齢者)がいる場合の注意点
- ■⑦ やってはいけない運用と、やらなくていい備え
- ■⑧ 今日の最小行動(5分でできる)
■① なぜ保護具が必要か(ケガは避難を止める)
災害の直後は、割れたガラス、落下物、飛来物、粉じんが当たり前にあります。
キャンピングカーが避難拠点として機能しても、外に出て給水・トイレ・情報収集をする瞬間にケガをすると、一気に詰みます。
特に多いのは、
- 頭をぶつける・落下物が当たる
- 目に粉じんが入る
- 手を切る(ガラス・瓦礫・金属片)
この3つは「回避できる事故」なので、最小セットで潰しておく価値が大きいです。
■② 最優先は「頭」:ヘルメットの選び方
選ぶ基準(ここだけ見ればOK)
- 国家検定品(飛来・落下物用)の表示がある
- あご紐がしっかり固定できる
- サイズ調整が簡単(家族で共有しやすい)
- 折りたたみでもOKだが、装着が速いもの
よくある落とし穴
- かぶるだけで安心して、あご紐を締めない
→ 揺れや走りで外れます。意味が薄いです。
現実的な運用
- 車を降りる前にかぶる(外に出てからでは遅い)
- 夜間はライトとセットで置く
■③ 次は「目」:ゴーグル・防塵メガネの現実解
粉じんは、目に入ると行動を止めます。避難所や瓦礫環境で「目が痛くて開けられない」は、その場で詰みます。
最小セットのおすすめ形
- 防塵メガネ(密閉に近いタイプ)
- 眼鏡使用者は オーバーグラス型 が便利
こんなときに効く
- 倒壊家屋周辺の粉じん
- 火災の煙が薄く流れてくる場面
- 強風で砂や灰が舞う場面
■④ 「手」と「足」:瓦礫環境で生き残る装備
手:軍手だけでは弱い
軍手は便利ですが、ガラスや金属片には弱いです。
- 作業用手袋(滑り止め+厚手)を1組
- 軍手は予備として複数
足:スニーカーでは危険な場面がある
瓦礫・ガラスが多いと、底が薄い靴は刺さります。
- 厚底の運動靴でもいいが、できれば底が硬い靴
- 車内に「外履き専用」を固定(玄関靴ルール)
■⑤ 車内収納のコツ(取り出せないと意味がない)
保護具は「あるのに使わない」が一番多い失敗です。
原因はだいたい収納です。
収納の正解
- 玄関(出入口)に固定:ヘルメット+ライト+手袋
- 1人1袋にしない:家族共有の“玄関セット”が強い
- 夜間でも触って取れる場所に
車中泊避難は、整えれば拠点になります。だからこそ“玄関動線”を作ると事故が減ります。
■⑥ 家族(子ども・高齢者)がいる場合の注意点
子ども
- サイズが合わないと嫌がる
→ 普段から試着して、あご紐を調整しておく。
高齢者
- かぶる動作が面倒で後回しにしがち
→ 「車を降りる前にかぶる」を家族ルール化。
■⑦ やってはいけない運用と、やらなくていい備え
やってはいけない運用
- 「ちょっとだけ外へ」で保護具を省略する
→ 事故は“ちょっと”で起きます。 - ヘルメットだけで安心して、ライトなし
→ 足元事故が増えます。
やらなくていい備え
- 過剰な装備を最初から全部そろえること
まずは 頭・目・手 の3点を固めるだけで十分です。
■⑧ 今日の最小行動(5分でできる)
- 玄関セットを作る:ヘルメット+ライト+手袋を1カ所に固定
- あご紐を調整して「すぐ被れる」状態にする
- 防塵メガネを1つ追加して、ライトと一緒に置く
出典
- 厚生労働省:保護具(保護帽等)に関する基礎情報 https://www.mhlw.go.jp/

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