【防災士が解説】防災訓練×自律型避難⑤|「訓練と本番は別物」という最大の勘違い

「訓練と本番は違う」
この言葉はよく聞きます。

しかし防災において、
この考え方こそが最大の落とし穴です。


■① 本番でできないことは、訓練でもできない

災害時に人が取る行動の多くは、
訓練で経験した範囲内に収まります。

・訓練で歩いていない道は使えない
・訓練で考えていない判断はできない
・訓練で声を出していない人は声が出ない

本番だけ特別にうまくいくことはありません。


■② 訓練は「想定外」を減らす作業

災害で人が動けなくなる理由は、
恐怖よりも「想定外」です。

・こんな暗いとは思わなかった
・こんなに寒いとは思わなかった
・こんなに人が動くとは思わなかった

これらはすべて、
訓練で体験できることです。


■③ 自律型避難訓練は「型」を壊す

従来の防災訓練は、

・決められたルート
・決められた時間
・決められた正解

がありました。

自律型避難では違います。

・複数ルートを試す
・時間帯を変える
・判断を個人に任せる

この「揺らぎ」が、
本番対応力を育てます。


■④ 本番は訓練の延長線上にある

実際の災害現場では、

・避難所が使えない
・道路が塞がれている
・情報が錯綜している

こうした状況が当たり前です。

だからこそ、
訓練段階から「不完全さ」を入れる必要があります。


■⑤ 訓練で失敗した人ほど強い

避難訓練で、

・道を間違えた
・遠回りになった
・思ったより疲れた

この経験をした人は、
次に同じ失敗をしません。

失敗は、
防災において最も価値のある教材です。


■⑥ 「できなかった」を共有する文化

訓練後に必要なのは反省会です。

ただし、
責める反省ではありません。

・どこで迷ったか
・何が不安だったか
・次はどうするか

この共有が、
地域の防災力を一段引き上げます。


■⑦ 訓練をやれば、本番は必ず変わる

東日本大震災や近年の豪雨災害でも、

・事前に歩いていた人
・訓練を重ねていた地区

は、
避難開始が明らかに早い傾向がありました。

訓練は裏切りません。


■まとめ|訓練こそが本番

結論です。

防災において、
訓練と本番は別物ではありません。

訓練は本番の縮図であり、
本番は訓練の延長です。

だからこそ、
自律型避難訓練を「本気」で行うことが、
命を守る最大の近道になります。

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