物価高騰対策として注目されている「おこめ券」。
しかし、専門家からは「逆に家計や流通を圧迫する仕組みだ」と指摘が相次いでいます。
さらに、防災の視点で見ると
「平時の支援策が災害時にも悪影響を与えかねない」
という重要な問題が隠れています。
この記事では、最新ニュースをもとに防災士として
“おこめ券が抱える課題” と “災害時の食料支援にどう影響するのか” を解説します。
■① おこめ券とは?仕組みを簡単に解説
おこめ券とは、全国のスーパーや米穀店で使える商品券。
- 1枚=500円
- ただし、実際に使えるのは440円相当
- 60円は印刷費・配送費などの“手数料”
つまり、12%ものコストが“券を配るだけで”消えてしまいます。
この仕組みが、大きな問題を生んでいます。
■② 経費がかかりすぎる(最大の問題)
1枚配るごとに60円の手数料。
100億円分配布すると…
- 必要な予算:108億円
- 実際の住民支援額:88億円
- 消えるお金:約20億円
防災士目線で言えば、
20億円あれば「水・食料・備蓄品」を全国の避難所に大量整備できます。
“紙を配るだけで”これだけの費用が無駄になるのは大問題です。
■③ 自治体の事務負担が超重い
おこめ券を配るために自治体が行う作業は…
- 住民データ確認
- 対象者の判定
- 封入作業
- 配布事務
- 問い合わせ対応
- 紛失・未着対応
災害対応を抱える自治体にとって、この負担は非常に大きい。
すでに交野市などは
「経費率が高く効率が悪すぎる」
と判断して配布しない方針をとっています。
■④ 住民の手元に届くのが遅い(支援が“遅延”)
現在の状況では…
- 予算議決
- 発注
- 印刷
- 発送準備
- 配布
このプロセスで時間がかかり、
住民の手に届くのは“年明け以降”。
物価高に苦しむ今、支援が遅れるのは致命的です。
災害時の緊急支援で同じ仕組みを使った場合、
支援が間に合わない危険性が高いことも示しています。
■⑤ 需要を刺激し、米価格をさらに上げる可能性
ふつうは「おこめ券=家計支援」ですが、今回のタイミングは逆効果。
- ただでさえ米の価格が高騰
- 配布されるとさらに需要が増える
- 結果的に価格上昇を後押しする
食糧品価格が上がれば、
災害備蓄のコストも跳ね上がります。
これは防災的にも非常に困る状況です。
■⑥ 給食無償化や水道料金免除の方が“効率が10倍以上”
一部自治体は、おこめ券を採用せず…
- 給食無償化
- 水道料金や上下水道基本料免除
- 電気・ガス支援
- 子育て世帯給付金
など、経費率0〜1%の支援策を選択。
防災士の視点でも、
- 給食無償化 → 子どもの栄養確保に直結
- 水道料金免除 → 災害時の水確保にも寄与
と、防災効果も非常に高い施策です。
■⑦ 災害時の食料支援との関係
おこめ券が抱える問題は“平時だけ”ではありません。
災害時には次のリスクがあります。
- 商品券は停電・閉店で使えない
- 配布事務が膨れ上がり、支援開始が遅れる
- おこめ券で米需要が高まる → 備蓄が手に入りにくくなる
- 避難所にも米が届きづらくなる
特に重要なのは…
“災害時は現金か物資支援が圧倒的に強い”
ということ。
券類は災害下ではほぼ機能しません。
■⑧ 防災士としての結論|おこめ券は“支援効率が低い”
経済支援としても防災としても、おこめ券は以下の課題があります。
- 経費率12%は致命的
- 配布が遅い
- 米価格を上げる可能性
- 災害支援として弱い
- 自治体負担が大きすぎる
「ぜいたくな紙を配るより、実物支援や現金給付の方が圧倒的に効果的」です。
■まとめ|おこめ券は“支援効率が低く、防災効果も薄い”
- おこめ券はコストが高すぎる
- 支援開始が遅く、効果が薄い
- 米価格をさらに上げる危険性
- 自治体負担が増え、災害対応が遅れる
- 給食無償化などの代替策が圧倒的に優秀
結論:
防災士として、もっと効率的で実用的な支援策を選んだ方が、多くの命と暮らしを守れると断言します。
現場では“使える支援”が一番大切です。

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