正月の帰省などで、親世代から
「水道光熱費がかさむから、風呂は2日に1回にしている」
と聞いた経験がある人も多いのではないでしょうか。
被災地派遣やLOとして現場に入ると、「お風呂に入れるかどうか」は、清潔さだけでなく心身の安定に直結する問題だと痛感します。一方で、平時の家計管理も防災の一部です。今回は、数字と現場感覚の両面から整理します。
■① 毎日入浴と2日に1回、1か月でどれくらい違うのか
一般的な条件として、
・浴槽:約200L
・シャワー:1回10分(約100L)
・水温:20℃ → 40℃
この条件で試算すると、以下が目安になります。
水道代
- 毎日浴槽にお湯:約2,160円/月
- 2日に1回浴槽:約1,440円/月
➡ 差額 約720円
ガス代
- 毎日浴槽にお湯:約3,517円/月
- 2日に1回浴槽:約2,345円/月
➡ 差額 約1,170円
合計差額
約1,900円/月
※地域・料金体系・追い焚きの有無で変動します。
■② 数字だけ見れば「意外と小さい差」
1か月で約1,900円。
これは決して無視できない金額ですが、
劇的に家計が変わるほどの差ではないとも言えます。
現場で感じるのは、
「節約しすぎて体調を崩す」
「寒さ・疲労が抜けず生活リズムが乱れる」
といった“見えないコスト”の方が、後々大きくなるケースです。
■③ 災害時に「毎日風呂に入れる」は前提にできない
能登半島地震や過去の大規模災害でも、
・断水
・給湯停止
・燃料不足
により、数日〜数週間入浴できない状況が普通に起こりました。
つまり、防災の視点では
「毎日浴槽にお湯を張る生活」自体が、非常時には成立しません。
■④ 防災的に大切なのは「入浴頻度」より「代替手段」
被災地で重要だったのは次の点です。
・体を拭く習慣(清拭)
・お湯を使わない清潔維持
・冷えを防ぐ工夫
風呂に入れなくても、
清潔・保温・休息が確保できるかどうかが、生活の質を左右します。
■⑤ 節約と防災を両立させる現実的な工夫
平時にできることとしては、
・浴槽のフタで保温
・家族は続けて入浴
・追い焚きを減らす
・シャワー時間を意識する
これだけでも、
「毎日入る」か「2日に1回」かに近い節約効果が出ることがあります。
■⑥ 現場で多かった後悔の声
被災地では、
「節約ばかり意識して体調を崩した」
「冷えが続いて動けなくなった」
という声を何度も聞きました。
お風呂は単なるぜいたくではなく、
回復・睡眠・メンタル維持の装置でもあります。
■⑦ 防災的な判断軸で考えると
防災の視点での優先順位は、
- 命・健康を守れるか
- 継続できるか
- 非常時に代替があるか
「2日に1回にするかどうか」は、
体調・年齢・住環境に合わせて調整する問題で、正解は一つではありません。
■⑧ 今日できる最小の防災行動
・風呂に入れない日を想定してみる
・清拭用品や保温対策を確認する
・「お湯ありき」の生活になっていないか見直す
これは、立派な防災行動です。
■まとめ
浴槽にお湯を張る頻度を
「毎日」→「2日に1回」にすると、
1か月で約1,900円程度の差が出る可能性があります。
ただし、防災の視点では
・節約しすぎて体調を崩さない
・非常時に風呂がなくても生活できる
この2点の方がはるかに重要です。
防災とは、
お金を守ることでもあり、体と生活を壊さない設計をすること。
数字と現実の両方を見ながら、無理のない選択をしていきましょう。

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