【防災士が解説】防災×アニサキス食中毒|災害時こそ注意すべき“生食リスク”

災害時や停電時、
見落とされがちなのが「食中毒」です。

特に注意したいのが、
アニサキスによる食中毒。

普段は何気なく食べている刺身も、
状況が変わればリスクになります。

今回は、防災の視点から
アニサキス対策を整理します。


■① アニサキスとは?

・寄生虫(線虫)の一種
・長さ2〜3cm、白い糸のような形状
・サバ、アジ、サンマ、イワシ、カツオ、サケ、イカなどに寄生

内臓に多く存在しますが、
魚の死後は身へ移動します。

つまり、
「新鮮そうに見える刺身」でも
リスクはゼロではありません。


■② アニサキス食中毒の症状

アニサキス幼虫が胃や腸に刺入すると発症します。

胃アニサキス症

・数時間後〜十数時間後に激しいみぞおちの痛み
・吐き気、嘔吐

腸アニサキス症

・十数時間後に激しい下腹部痛
・腹膜炎症状

突然の激痛が特徴です。

災害時にこれが起きると、
医療機関が逼迫している中で対応が難しくなります。


■③ なぜ“防災”で重要なのか

停電や断水時、

・冷凍保存が不十分
・加熱調理が困難
・簡易的な調理環境

こうした状況で
生食を選択するケースが増えます。

私は被災地派遣やLOとして現場に入りましたが、
避難所や在宅避難で
「冷蔵・冷凍が不安定」な状況を何度も見ました。

食材の管理が難しくなると、
食中毒リスクは一気に上がります。

災害時は「生食を避ける」が基本です。


■④ 予防のポイント

1 新鮮な魚を選び、速やかに内臓を除去

内臓から身へ移動する前に処理。

2 目視で確認し除去

明るい場所で確認。
ブラックライトも有効。

3 冷凍処理(推奨)

マイナス20℃以下で24時間以上。

4 加熱

60℃で1分、70℃以上で瞬時に死滅。

※中心部まで確実に加熱。


■⑤ よくある誤解

・ワサビ、醤油、酢では死にません
・よく噛んでも防げません

「昔から大丈夫」は根拠になりません。


■⑥ 販売者の役割

・生食用/加熱用の表示徹底
・加熱用である旨の説明

防災は行政だけでなく、
流通・販売の協力も不可欠です。


■まとめ

災害時は、
衛生環境が不安定になります。

だからこそ、

「火を通す」

これが最もシンプルで強い防御策です。

命を守る防災は、
地震や台風だけではありません。

食中毒も“災害リスク”の一つです。

日常から正しい知識を持ち、
有事でも迷わない判断を。


■出典
福岡市「アニサキスによる食中毒について」
https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/shokuhin/health/anisakis.html

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