災害時、最も速く情報が広がるのはテレビでも行政でもありません。
それは SNSとインフルエンサー です。
フォロワー数十万、数百万という影響力は、
防災において「武器」にも「凶器」にもなります。
本記事では、インフルエンサーという存在を
デジタル防災の視点から冷静に整理します。
■① 災害時、なぜインフルエンサーの影響力が強いのか
理由は単純です。
・通知が届く
・普段から見慣れている
・言葉が分かりやすい
・感情に訴える
行政情報よりも
「信頼している人の一言」 が行動を左右する場面は少なくありません。
■② インフルエンサーが「防災の味方」になるケース
正しく機能すれば、これほど心強い存在はありません。
・避難をためらう人の背中を押す
・行政情報を噛み砕いて伝える
・若年層に防災意識を広げる
・誤情報を否定し修正する
特に若者層にとっては、
行政アカウントより インフルエンサーの方が届く 現実があります。
■③ 一方で極めて危険な「拡散リスク」
問題は、善意でも起こります。
・未確認情報の拡散
・独自解釈による誤誘導
・感情的な煽り
・デマの爆発的拡散
「◯◯が危険らしい」
この一言が、
避難混乱や買い占め、風評被害を生むこともあります。
■④ インフルエンサーは「専門家」ではない
ここが最も重要な視点です。
インフルエンサーは
・情報発信のプロ
であって
・防災判断の専門家
ではありません。
フォロワー数と正確性は比例しません。
■⑤ 行政が抱えるジレンマ
行政はインフルエンサーを
・無視もできない
・公式に依存もできない
という難しい立場に置かれています。
・発信は遅い
・表現は硬い
・拡散力は弱い
だからこそ、
連携の設計 が必要になります。
■⑥ 解決策①「公式情報の翻訳者」として位置づける
最も現実的な解決策はこれです。
・インフルエンサーが独自情報を出さない
・行政情報をそのまま引用・要約する
・出典を必ず明示する
役割は
判断者ではなく翻訳者。
これにより、
スピードと正確性を両立できます。
■⑦ 解決策② 事前の「防災リテラシー共有」
災害時にいきなり頼るのは危険です。
平時から
・防災研修
・情報の扱い方
・誤情報の影響
を共有しておく。
これは「規制」ではなく
協力関係の構築 です。
■⑧ 住民側に必要な視点
私たち自身も、こう考える必要があります。
・誰が言っているか
・どこからの情報か
・公式情報と一致しているか
「有名だから正しい」
は、防災では通用しません。
■まとめ|インフルエンサーは「使い方」で決まる
インフルエンサーは
・使えば最強の拡声器
・誤れば最大の混乱要因
になります。
デジタル防災の本質は、
情報の速さ × 正確さ × 信頼。
インフルエンサーを
・排除するのでも
・依存するのでもなく
正しい役割で組み込むこと。
これが、
これからの防災に求められる現実的な答えです。

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