災害時、
「ペットと一緒に避難所へ行けますか?」
という質問は、毎回必ず出てきます。
答えは一つではありません。
行けるかどうかは、ペットではなく“飼い主の準備”で決まります。
防災士として現場を見てきた立場から、
ペット同行避難で本当に問題になる点を整理します。
■① ペットは「原則同行避難」だが同室とは限らない
現在の防災方針では、
多くの自治体がペットの「同行避難」を想定しています。
ただしこれは、
・同じ避難所に行ける
・同じ部屋で過ごせる
という意味ではありません。
多くの避難所では、
・ケージ内での管理
・人の生活空間とは分離
が前提になります。
■② 避難所トラブルの大半は「ペットの問題」ではない
過去の災害で起きたトラブルの多くは、
・排泄物の処理
・抜け毛
・鳴き声
・ニオイ
といった、管理の問題 でした。
ペットそのものではなく、
飼い主の準備不足が原因です。
■③ 排泄物対策は「量」と「処理」が命
避難所で最も揉めやすいのが排泄物です。
最低でも、
・トイレシート
・おむつ
・処理用袋
を 5〜7日分 用意してください。
「足りなくなったら何とかなる」
は、ほぼ確実に通用しません。
■④ 抜け毛とニオイは想像以上にストレスになる
避難所は密閉空間です。
・粘着テープ
・消臭用品
・簡易ブラシ
これらがあるだけで、
周囲との摩擦は大きく減ります。
小さな配慮が、
避難所に居続けられるかを左右します。
■⑤ 吠える声は「しつけ」ではなく「安心対策」
災害後、
普段おとなしい犬が吠え続けることは珍しくありません。
これはしつけの問題ではなく、
環境ストレス です。
・慣れたおもちゃ
・においのついた毛布
こうした「安心材料」が、
鳴き声対策として非常に有効です。
■⑥ 防災士から見た実際に多かった失敗
多かったのは、
「連れては来たが、管理できなくなった」
というケースです。
結果として、
・避難所に居づらくなる
・車中泊に戻る
という悪循環に陥ります。
同行避難は、
連れて行くだけでは成立しません。
■⑦ 行政側が言いにくい本音
避難所は、
ペット専用施設ではありません。
受け入れ態勢を整えていても、
すべてをフォローする余裕はありません。
だからこそ、
飼い主側の自助が前提 になります。
■⑧ 避難訓練に参加する意味
ペット同行避難訓練では、
・避難所での動線
・ペットの落ち着き方
・周囲の反応
を事前に体験できます。
これは本番での不安を、
大きく減らしてくれます。
■まとめ|ペット同行避難は「権利」ではなく「責任」
ペットと避難所に行けるかどうかは、
運や特例ではありません。
結論:
ペット同行避難は、準備した飼い主だけが成立させられます。
防災士としての現場実感として、
トラブルを起こしたのはペットではなく、
「想定していなかった飼い主」でした。
ペットを守るために必要なのは、
特別な装備ではなく、
周囲と共に過ごすための準備 です。

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