冬の防災備蓄として、多くの家庭に入っているホッカイロ。
軽くて安く、すぐに温まるため、「とりあえず入れている」という人も多い防災グッズです。
しかし災害現場では、
「持っていたのに使えなかった」
「期限切れで温まらなかった」
というケースが少なくありません。
ホッカイロは万能ではありません。
正しい知識と備蓄方法を知らなければ、寒さ対策として機能しないこともあります。
■① ホッカイロにも「使用期限」がある
ホッカイロには必ず使用期限があります。
多くの商品で、製造からおよそ3〜4年が目安です。
この期限を過ぎると、
・発熱しない
・温度が上がらない
・持続時間が極端に短い
といった状態になりやすくなります。
未開封であっても、期限切れは性能低下を招きます。
■② なぜ期限切れで使えなくなるのか
ホッカイロは、
鉄粉・活性炭・水分・塩分などの化学反応で発熱します。
長期間保管すると、
内部の水分バランスや反応効率が低下し、
空気に触れても十分に反応しなくなるのです。
「見た目は新品」でも、
中身は劣化している可能性があります。
■③ 災害時の寒さは「命」に直結する
厳冬期の災害では、
低体温症が命に関わります。
・避難所が寒い
・暖房が使えない
・濡れた衣服を着替えられない
こうした状況で、
ホッカイロが機能しないことは致命的です。
ホッカイロは快適グッズではなく、
体温を守る装備として位置づける必要があります。
■④ 備蓄量の目安は「1人1日2〜3個」
ホッカイロは消耗品です。
1個あれば安心、ではありません。
目安としては、
・1人あたり1日2〜3個
・最低3日分、できれば7日分
を想定すると現実的です。
貼るタイプ・貼らないタイプを
用途別に組み合わせると使い勝手が向上します。
■⑤ 保管場所が寿命を左右する
ホッカイロは、
高温多湿に弱い製品です。
・車内
・直射日光が当たる場所
・湿気の多い収納
での長期保管は避けるべきです。
防災バッグに入れっぱなしの場合も、
年に一度は状態確認を行いましょう。
■⑥ ローリングストックが最適解
ホッカイロは、
冬場の日常生活でも使えるアイテムです。
・通勤
・屋外作業
・スポーツ観戦
などで普段使いし、
使った分を補充する「ローリングストック」が最も確実です。
期限切れを防ぎ、
備蓄を意識せず続けられる方法です。
■⑦ 防災士から見た実際に多かった失敗
災害現場で多かったのは、
・期限を一度も見ていなかった
・数はあるが全て期限切れ
・必要なときに全く温まらなかった
というケースです。
誤解されがちなのは、
「ホッカイロは古くても使える」という思い込みです。
行政側が言いにくい本音として、
寒さ対策は個人備蓄に依存せざるを得ないという現実があります。
■⑧ 避難服・自律型避難との相性
ホッカイロは、
避難服との相性が非常に良い防災アイテムです。
・首
・お腹
・腰
・足先
を重点的に温めることで、
全身の冷えを抑えられます。
自律型避難においても、
寒さに耐えられるかどうかは判断力に直結します。
■まとめ|ホッカイロは「期限管理」までが防災
ホッカイロは、
入れているだけでは意味がありません。
結論:
ホッカイロは「持つこと」より「使える状態」を維持することが重要
防災士として現場を見てきた経験から言えるのは、
寒さ対策ができていた人ほど、落ち着いて行動できていたという事実です。
今日できる最小行動は一つ。
防災バッグに入っているホッカイロの使用期限を確認すること。
それが、命を守る備えにつながります。

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