「ワンヘルスなんて理想論では?」「もう今さら遅いのでは?」
防災や地域づくりの現場で、こうした声を聞くことがあります。しかし結論から言えば、ワンヘルス防災は今からでも十分に意味があります。 むしろ、これからの日本にこそ必要な視点です。
■① ワンヘルスが注目され始めた背景
近年の災害では、
・高齢者の避難遅れ
・ペット同行避難の混乱
・感染症リスクの増大
・避難所トラブルの長期化
が同時に発生しています。個別対応では限界が見え、包括的な考え方が求められるようになりました。
■② 「遅い」と感じる理由の正体
ワンヘルスが難しく感じられるのは、
・制度が追いついていない
・前例が少ない
・責任の所在が曖昧
といった行政・地域側の事情が大きな要因です。しかし、これは「不要」ではなく「未整備」なだけです。
■③ 実は現場では自然に行われている
被災地では、
・高齢者とペットを同時に支援
・動物ボランティアと福祉職が連携
・環境衛生を守りながら避難所運営
といったワンヘルス的対応が、すでに自然発生的に行われています。
■④ ワンヘルスは大規模施策でなくていい
ワンヘルスは、
・大きな予算
・新しい施設
がなくても始められます。
例えば、
・ペット同行避難を前提に話し合う
・高齢者世帯の飼育状況を把握
・避難所ルールを共有
これだけでも十分な一歩です。
■⑤ 「完璧」を目指すと止まる
防災で最も危険なのは、
「完璧でなければ意味がない」
という思考です。
ワンヘルスも同様で、
・できる範囲
・小さな改善
を積み重ねることが、被害軽減につながります。
■⑥ 平時の準備が最大の効果を生む
災害時に突然ワンヘルスを導入するのは困難です。
・顔の見える関係
・役割分担
・共通認識
これを平時から整えることで、災害時の混乱を大幅に減らせます。
■⑦ 高齢化社会こそワンヘルスが必要
これからの日本は、
・高齢者単身世帯の増加
・ペット飼育率の上昇
・地域の担い手不足
が同時に進みます。人だけを守る防災は、すでに現実に合っていません。
■⑧ ワンヘルスは「命をつなぐ発想」
人・動物・環境を切り離さないことで、
・避難が早まる
・孤立が防げる
・二次被害が減る
結果として、救える命が確実に増えます。
■まとめ|ワンヘルス防災は「今から」で十分間に合う
ワンヘルスは未来の理想論ではありません。
現場で必要とされ、すでに始まっている防災の形です。
結論:
ワンヘルス防災は、今から始めるからこそ意味があります。
防災士として被災地を見てきた立場から言えば、「もっと早く考えていれば助かった命」は確実に存在しました。今からの一歩が、次の災害で命を分けます。

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