冬から春にかけて、乳幼児突然死症候群(SIDS)が増加することが知られています。
特に年末年始は帰省や生活環境の変化が重なり、乳幼児にとって見えにくいリスクが高まる時期です。
災害時だけでなく、日常の延長線上にある「命を守る環境づくり」も防災の重要な役割です。
■① 乳幼児突然死症候群(SIDS)とは何か
SIDSは、健康に見えた乳幼児が睡眠中に突然亡くなる原因不明の症候群です。
1歳未満での発症がほとんどで、特に生後2か月から6か月の乳児に多く見られます。
原因は完全には解明されていませんが、自律神経の未熟さと外的ストレスが複合的に影響すると考えられています。
■② 冬にSIDSが増える理由
冬は以下の条件が重なりやすく、SIDSのリスクが高まります。
・寒さによる過度な厚着
・毛布や布団で顔が覆われやすい
・暖房による室温上昇
・空気の乾燥
「冷やさないこと」を優先しすぎることで、逆に危険な環境を作ってしまうことがあります。
■③ 帰省・環境変化が与える影響
帰省時は、普段と異なる寝具や部屋で過ごすことになります。
・布団の硬さや高さが違う
・生活音や人の出入りが多い
・移動による疲労やリズムの乱れ
これらは大人以上に乳幼児の身体に負担をかけ、外的ストレスとなります。
■④ 防災視点で整える睡眠環境
SIDSの予防は、防災の基本である「環境整備」と共通します。
・1歳までは必ずあおむけで寝かせる
・硬めで平らな寝具を使用する
・顔が覆われないよう服装で温度調整する
・室温を上げすぎない
・周囲で喫煙しない
特別な道具ではなく、判断と意識が命を守ります。
■⑤ 災害時・避難時に重なるリスク
災害時や停電時は、SIDSのリスクがさらに高まります。
・暖房が使えず厚着になりやすい
・避難所や親戚宅で寝具が変わる
・親自身が疲労し注意力が落ちる
日常での備えが、そのまま非常時の安全につながります。
■⑥ 防災士から見た実際に多かった失敗
防災の現場では、
「寒いからとにかく重ねる」「泣かないよう包み込む」
といった善意の行動が、結果としてリスクを高めてしまう例を多く見てきました。
“やりすぎない”判断が重要です。
■⑦ 誤解されがちなポイント
「冬は暖かくすれば安全」という考えは誤解されがちです。
乳幼児は体温調整が未熟なため、過度な保温は危険になることがあります。
空調と服装で調整することが基本です。
■⑧ 日常防災としての意識
防災は災害の時だけの話ではありません。
生活環境を整え、無理をしない判断をすることが、
乳幼児の命を守る最も現実的な防災です。
■まとめ|命を守る防災は日常から
乳幼児突然死症候群は、特別な災害ではなく日常の延長線上にあります。
冬・帰省・環境変化という条件が重なる時こそ、冷静な判断が必要です。
結論:
乳幼児の命を守る防災は、「過不足のない環境づくり」と「無理をしない判断」に尽きます。
防災士として現場を見てきた経験からも、
「行かない」「見直す」「控える」という選択が、
結果的に最も命を守る判断だったケースは少なくありません。

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