【防災士が解説】防災×二次避難|「無理をしない避難」を選べる家庭が助かる

避難という言葉には、どこか「我慢」や「耐える」という響きがあります。
しかし、能登半島地震が教えてくれたのは――
無理をした避難ほど、命を削るという現実でした。


■① 「避難できた=安全」ではない

災害時、多くの人は「避難所に行けたから大丈夫」と考えます。
けれど実際には、

・寒さや暑さ
・騒音や人混み
・トイレや睡眠の問題
・精神的ストレス

これらが積み重なり、体調を崩してしまうケースが後を絶ちません。

能登では、死者の約7割が災害関連死でした。
つまり、「揺れを生き延びたあと」に命を落とした人が多数いたのです。


■② 我慢強い人ほど、危険に陥る

日本では昔から、
「周りに迷惑をかけない」
「自分は後回し」
という価値観が美徳とされてきました。

しかし避難生活では、この考え方が裏目に出ます。

・寒いけど言えない
・つらいけど我慢する
・本当は合わないけど耐える

結果として、限界を超えてしまう。

避難で一番危険なのは、“無理をしていることに気づかないこと”です。


■③ 二次避難は「逃げ」ではない

二次避難という言葉に、
「わがまま」「特別扱い」という印象を持つ人もいます。

けれど本来の二次避難は、

・生活環境を整える
・体調を守る
・長期化に備える

ための、正当な選択です。

特に、

・高齢者
・子ども
・持病のある人
・ペットのいる家庭

こうした世帯にとって、環境を変えることは“甘え”ではなく“必要条件”です。


■④ 「合わなければ動く」という判断基準

これからの防災で大切なのは、
最初の避難先に固執しないことです。

・眠れない
・食事が合わない
・体調が悪化している

こうしたサインが出たら、
「もう少し頑張る」ではなく
「次の場所を探す」という判断が必要になります。

二次避難を“計画に入れている家庭”ほど、この切り替えが早くできます。


■⑤ 家族で決めておきたい「避難の合言葉」

災害時は、冷静な判断が難しくなります。
だからこそ、事前にこんな合言葉を決めておくと役立ちます。

「無理だと思ったら、場所を変える」
「我慢しなくていい」
「命と健康が最優先」

この一言があるだけで、
避難中の判断がぐっと楽になります。


■⑥ “助かる避難”から“壊れない避難”へ

これからの防災は、

・助かるか
・逃げ切れるか

だけでなく、

・心が折れないか
・体が壊れないか

まで考える時代です。

二次避難を知ることは、
避難生活を壊さないための知識

避難は競争ではありません。
誰かと比べるものでもありません。

自分と家族に合った避難を、
選んでいいのです。

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