【防災士が解説】防災×備蓄|ローリングストック法“その3”|本当に強い家庭は「季節ごとに備蓄を入れ替える」

ローリングストック法を実践している家庭は、すでに備えの“基本”ができています。
しかし、災害現場で支援に入ると 「季節に合わない備蓄で困る家族」 が非常に多いことに気づきます。

ローリングストックの次のステップは、
季節ごとに備蓄を最適化する“季節入れ替えストック法” です。


■① 冬は「温め不要の食事」が命を救う

冬災害では、以下の問題が発生しやすくなります。

  • 水が冷たくて調理したくない
  • カセットコンロのガス消費が増える
  • 温かい食事がないと体温低下のリスクが高い

そこで冬の備蓄で役立つものは:

  • 温めず食べられるカレー・パスタ
  • そのまま食べられるお粥
  • 栄養ゼリー
  • エネルギーバー
  • パンの缶詰
  • 温めず食べられるスープ系食品

冬は「火」をできるだけ使わない備蓄が重要です。


■② 夏は“腐りにくい食品”が優先

真夏は避難所に冷房がなく、室温が30℃を超えることもあります。

このとき困るのが:

  • 常温で保存できない食品
  • 開封後すぐ劣化する食品
  • 冷蔵庫前提の食材

夏に最適な備蓄は:

  • パウチゼリー
  • ドライ系非常食
  • 常温保存のおかず
  • レトルト食品
  • フリーズドライ味噌汁
  • ナッツ・クラッカー・乾物

“夏に腐らない備え”を整えることが重要。


■③ 春・秋は「花粉症・風邪対策」も備蓄に含める

特に春は、避難所で以下のトラブルが増えます。

  • 花粉症悪化
  • 風邪の蔓延
  • くしゃみによるトラブル
  • 喉の乾燥

そこで季節備蓄に入れるべきは:

  • マスク
  • のど飴
  • ティッシュ
  • 使い切り加湿シート
  • 目薬
  • ハンドクリーム
  • うがい薬

「災害時に薬局が開いていない」ことを忘れてはいけません。


■④ 衣類備蓄は季節で全く変わる

“1年中同じ服の備蓄”は絶対に失敗します。

季節別の正解は:

【冬】

  • ダウン
  • 靴下2〜3枚
  • 厚手の手袋
  • ニット帽
  • カイロ

【夏】

  • 速乾インナー
  • 薄手のタオル
  • 汗ふきシート
  • 帽子
  • 虫よけ

【春秋】

  • 軽量ダウン
  • 薄手の長袖
  • ストール

“寒暖差で体調を崩す”ことが災害時の大きな弱点になります。


■⑤ 季節で消費が変わるものは「半年ごとに入れ替え」

ローリングストックの弱点は、
“使い切るのは日常、必要なのは災害時”というズレです。

そこで半年ごとに優先入れ替えしたいものは:

  • カイロ(冬→夏で使わない)
  • 経口補水パウダー(夏の使用頻度UP)
  • 飲料水(季節で消費ペースが変わる)
  • 使い捨てカッパ(梅雨・台風前に補充)
  • 扇風機・USBファン(夏)
  • 毛布・寝袋(冬)

“季節の入れ替え”で備蓄の鮮度が一気に上がります。


■⑥ 災害で困るのは「使いにくいもの」より“重すぎるもの”

災害現場でよく聞く声は、

「重くて運べない」
「避難途中で持てなくなる」
「子どもが荷物を持てない」

冬は備蓄が重くなりがちなので、
特に以下の軽量アイテムに切り替えると良いです。

  • 軽量ダウン
  • アルミブランケット
  • 軽量スープ
  • 個包装食品
  • 小型バッテリー
  • 圧縮毛布

“軽さ”は災害時の生存率を大きく変えます。


■⑦ 季節ごとの“食欲の変化”を備蓄に反映させる

災害時はストレスで食欲が落ちますが、季節によって変化します。

【冬】

  • 温かいものが欲しい
  • 甘いものが心の支えになる

【夏】

  • さっぱりした物
  • 冷たくても食べられる物
  • 水分を多く含む食品

【春秋】

  • 食べ慣れた普段の味が安心につながる

“季節×食欲”を理解すると、失敗のない備蓄ができます。


■⑧ 季節ごとに備蓄の「目的」が変わる

季節ごとに命を守る優先項目は違います。

【冬】
→ 低体温症対策が最優先

【夏】
→ 熱中症・脱水対策が最優先

【春秋】
→ 感染症対策・寒暖差対策

目的に合わせて備蓄内容を変えると、
家族全員が“安全ゾーン”に入ります。


■まとめ|ローリングストック法“その3”は「季節ごとに最適化する」段階

ローリングストックを超えていくために必要なのは、

  • 冬は温め不要の食品
  • 夏は腐らない食品
  • 春秋は花粉・風邪対策
  • 季節別の衣類
  • 半年ごとの入れ替え
  • 軽量化で避難性能アップ
  • 食欲の変化を反映
  • 季節の命のリスクに対応

結論:
備蓄は“季節に合わせて変える”ことで、災害時に本当に役立つレベルへ進化する。
防災士として現場で学んだ、実戦的な備蓄の最適化です。

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