ローリングストック法を実践している家庭は、すでに備えの“基本”ができています。
しかし、災害現場で支援に入ると 「季節に合わない備蓄で困る家族」 が非常に多いことに気づきます。
ローリングストックの次のステップは、
季節ごとに備蓄を最適化する“季節入れ替えストック法” です。
■① 冬は「温め不要の食事」が命を救う
冬災害では、以下の問題が発生しやすくなります。
- 水が冷たくて調理したくない
- カセットコンロのガス消費が増える
- 温かい食事がないと体温低下のリスクが高い
そこで冬の備蓄で役立つものは:
- 温めず食べられるカレー・パスタ
- そのまま食べられるお粥
- 栄養ゼリー
- エネルギーバー
- パンの缶詰
- 温めず食べられるスープ系食品
冬は「火」をできるだけ使わない備蓄が重要です。
■② 夏は“腐りにくい食品”が優先
真夏は避難所に冷房がなく、室温が30℃を超えることもあります。
このとき困るのが:
- 常温で保存できない食品
- 開封後すぐ劣化する食品
- 冷蔵庫前提の食材
夏に最適な備蓄は:
- パウチゼリー
- ドライ系非常食
- 常温保存のおかず
- レトルト食品
- フリーズドライ味噌汁
- ナッツ・クラッカー・乾物
“夏に腐らない備え”を整えることが重要。
■③ 春・秋は「花粉症・風邪対策」も備蓄に含める
特に春は、避難所で以下のトラブルが増えます。
- 花粉症悪化
- 風邪の蔓延
- くしゃみによるトラブル
- 喉の乾燥
そこで季節備蓄に入れるべきは:
- マスク
- のど飴
- ティッシュ
- 使い切り加湿シート
- 目薬
- ハンドクリーム
- うがい薬
「災害時に薬局が開いていない」ことを忘れてはいけません。
■④ 衣類備蓄は季節で全く変わる
“1年中同じ服の備蓄”は絶対に失敗します。
季節別の正解は:
【冬】
- ダウン
- 靴下2〜3枚
- 厚手の手袋
- ニット帽
- カイロ
【夏】
- 速乾インナー
- 薄手のタオル
- 汗ふきシート
- 帽子
- 虫よけ
【春秋】
- 軽量ダウン
- 薄手の長袖
- ストール
“寒暖差で体調を崩す”ことが災害時の大きな弱点になります。
■⑤ 季節で消費が変わるものは「半年ごとに入れ替え」
ローリングストックの弱点は、
“使い切るのは日常、必要なのは災害時”というズレです。
そこで半年ごとに優先入れ替えしたいものは:
- カイロ(冬→夏で使わない)
- 経口補水パウダー(夏の使用頻度UP)
- 飲料水(季節で消費ペースが変わる)
- 使い捨てカッパ(梅雨・台風前に補充)
- 扇風機・USBファン(夏)
- 毛布・寝袋(冬)
“季節の入れ替え”で備蓄の鮮度が一気に上がります。
■⑥ 災害で困るのは「使いにくいもの」より“重すぎるもの”
災害現場でよく聞く声は、
「重くて運べない」
「避難途中で持てなくなる」
「子どもが荷物を持てない」
冬は備蓄が重くなりがちなので、
特に以下の軽量アイテムに切り替えると良いです。
- 軽量ダウン
- アルミブランケット
- 軽量スープ
- 個包装食品
- 小型バッテリー
- 圧縮毛布
“軽さ”は災害時の生存率を大きく変えます。
■⑦ 季節ごとの“食欲の変化”を備蓄に反映させる
災害時はストレスで食欲が落ちますが、季節によって変化します。
【冬】
- 温かいものが欲しい
- 甘いものが心の支えになる
【夏】
- さっぱりした物
- 冷たくても食べられる物
- 水分を多く含む食品
【春秋】
- 食べ慣れた普段の味が安心につながる
“季節×食欲”を理解すると、失敗のない備蓄ができます。
■⑧ 季節ごとに備蓄の「目的」が変わる
季節ごとに命を守る優先項目は違います。
【冬】
→ 低体温症対策が最優先
【夏】
→ 熱中症・脱水対策が最優先
【春秋】
→ 感染症対策・寒暖差対策
目的に合わせて備蓄内容を変えると、
家族全員が“安全ゾーン”に入ります。
■まとめ|ローリングストック法“その3”は「季節ごとに最適化する」段階
ローリングストックを超えていくために必要なのは、
- 冬は温め不要の食品
- 夏は腐らない食品
- 春秋は花粉・風邪対策
- 季節別の衣類
- 半年ごとの入れ替え
- 軽量化で避難性能アップ
- 食欲の変化を反映
- 季節の命のリスクに対応
結論:
備蓄は“季節に合わせて変える”ことで、災害時に本当に役立つレベルへ進化する。
防災士として現場で学んだ、実戦的な備蓄の最適化です。

コメント