冬の時期、家庭での入浴はリラックスの場である一方で、急激な温度変化や長時間の入浴によって「ヒートショック」や「入浴熱中症」が起こり、命に関わる事故につながることがあります。厚生労働省の統計では、2023年に65歳以上の高齢者が入浴中に亡くなった人数は6,541人で、交通事故の死者数の約3倍にのぼります。防災士の視点からも、入浴中の安全対策は日常の防災として非常に重要です。
■① ヒートショックとは
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、体に強い負担がかかる現象です。暖かい室内から寒い脱衣所や浴室に移動すると血圧が急上昇し、その後お湯に入ることで血圧が急降下します。この血圧変動により、失神や溺死、心肺停止のリスクが高まります。
■② 入浴熱中症とは
入浴熱中症は、熱いお風呂に長時間浸かることで体温が異常に上昇し、熱中症のような症状を引き起こす現象です。全年齢層で発生し得るため、高齢者だけでなく若い人も注意が必要です。ヒートショックとは原因が異なり、「温度差」ではなく「長時間の高体温」が問題となります。
■③ 高齢者施設での対策事例
介護施設では脱衣所や浴室の温度管理を徹底しています。床暖房やヒーターで事前に温めたり、お湯をかき混ぜて蒸気を立てるなど、温度差を最小化する工夫を行っています。また、入浴前に血圧を測定し、体調に応じて入浴可能か判断するなど、きめ細かな対応が行われています。
■④ 家庭でできるヒートショック対策
・脱衣所や浴室を暖房で温める
・浴槽のお湯をかき混ぜ蒸気を立て、蓋を少し開けて温度差を減らす
・高齢者や体調不良時は入浴前に血圧を確認する
■⑤ 家庭でできる入浴熱中症対策
・お湯の温度は41℃以下に設定する
・入浴時間は10分程度を目安に短くする
・食後すぐやアルコール・薬服用後の入浴は避ける
■⑥ 日常生活への応用
入浴事故予防は特別な準備ではなく、日常生活の延長として取り入れられます。暖房器具や浴槽の使い方を工夫するだけでも事故リスクを大幅に減らせます。防災士としては、「日常の小さな配慮が命を守る」という意識が大切です。
■まとめ|冬の入浴事故を防ぐために
冬の入浴中の事故は高齢者だけでなく全年齢層に起こり得ます。家庭での予防策を日常的に実践することが、安全で安心な入浴につながります。
結論:
入浴前後の温度差と長時間の高体温を避けることが、ヒートショックや入浴熱中症から身を守る最も有効な方法です。
防災士の現場経験からも、家庭での温度管理と入浴時間の工夫は、誰でもすぐに取り入れられる有効な防災対策と言えます。

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