冬の災害の中でも特に危険なのが
「車が雪に埋まって動けなくなる(スタック・吹雪で埋没)」 という状況です。
防災士として雪害対応に関わる中で痛感しているのは、
車の埋没は“命に関わる冬の災害” であるということ。
この記事では、車が雪に埋まる原因と防ぎ方、埋まったときの正しい行動をわかりやすく解説します。
■① 車が雪に埋まる主な原因
車が雪に埋まる原因の多くは「環境」+「運転判断」です。
- 吹雪で視界ゼロの中を走行
- 除雪が遅れた道路に進入
- 路肩に積もった“柔らかい雪”に乗り上げる
- 夜間・早朝で雪が急速に積もる
- 停車中に短時間で車体が覆われる
特に吹雪時は 10〜20分で車が完全に埋まるケース もあります。
■② 車が埋まると何が危険なのか
車が雪に埋まると、命に関わる危険が一気に高まります。
- マフラーが雪で塞がる → 一酸化炭素中毒(CO中毒)
- 外に出られず救助が遅れる
- 車内温度が急激に低下 → 低体温症
- スマホのバッテリー消耗が早い
- 燃料切れ → 暖房が使えなくなる
実際、過去の大雪災害では CO中毒による死亡事例が多数発生しています。
■③ 車が埋まりやすい危険環境
以下の状況では、埋没リスクが極めて高いです。
- 日本海側の“地吹雪”地域
- ホワイトアウトする山間部
- 風下側の道路・吹き溜まり
- 立ち往生が多い幹線道路
- 夜間の除雪が遅れがちな市道
「雪が強くなくても風が強い」状況は特に危険。
雪が横から吹き付け、車体があっという間に埋まります。
■④ 車が雪に埋まらないための予防策
最も重要なのは「埋まる前に避ける行動」です。
- 大雪・暴風雪警報時は運転を中止
- 山間部・地吹雪地域は“通らない”
- 深いわだちや路肩の雪に近づかない
- 早朝・深夜の外出を避ける
- 積雪前に燃料を満タンにする
- 車にスコップと脱出用品を常備
雪道では “行けるか”より“戻れるか” を基準に判断してください。
■⑤ 停車中に埋まらないための工夫
駐車位置だけでも埋没リスクは大きく変わります。
- 風下・吹き溜まりを避ける
- 建物の陰(風よけ)に停める
- 道路脇の雪山のそばに停めない
- 夜間は屋根付き駐車場・立体駐車場へ
特に吹雪時は 数十分で車体が見えなくなる こともあります。
■⑥ もし車が雪に埋まったら絶対にやること
命を守るために、行動の優先順位が重要です。
① マフラー周りの雪を必ず除く
暖房をつける前に必ず行う。
詰まると CO中毒 → 数十分で意識低下。
② 車内で暖を取るときは換気を確保
窓を1cm開ける/定期的に外の空気を入れる。
③ アイドリングは断続的に
燃料を温存するため、
10〜15分暖房 → 30分停止 を繰り返す。
④ 救助要請(110・119・道路会社)
● 大雪で動けない場合
● 子ども・高齢者・持病持ちがいる場合
● 気温が著しく低い場合
⑤ スマホのバッテリー節約
- 低電力モード
- 暖めておく(冷気で急速放電するため)
- 位置共有をオン
■⑦ 車に積んでおくべき“冬の命を守る装備”
車が埋まる事態は「冬の避難所」と同じです。
- スコップ(折りたたみ式)
- 毛布・寝袋
- カイロ
- 非常食・水
- 予備バッテリー
- 携帯トイレ
- ロープ
- スノーヘルパー
- 懐中電灯・ヘッドライト
これらがあるだけで、生存性は格段に高まります。
■⑧ 冬の車内で“絶対にやってはいけないこと”
命に直結するNG行動です。
- マフラーが埋まったまま暖房 → 即CO中毒
- ずっとアイドリング → 燃料切れ → 低体温症
- 雪の中を無理に歩いて脱出 → 遭難
- スマホを使い続けて電池ゼロ
- 若いから大丈夫と油断
冬の車内は「災害空間」です。
正しい行動だけが命を守ります。
■まとめ|車が雪に埋まるのは“想定外の事故”ではなく“予防できる災害”
冬の車トラブルは、予防を徹底するだけで多くが避けられます。
- 走らない勇気
- 風と地形の知識
- 停める場所の判断
- 装備の常備
これらは命を守るための基本です。
結論:
車の埋没は、冬の最も危険な災害の一つ。正しい判断と装備で“生き残る可能性”が劇的に変わる。
防災士として現場を見てきましたが、
「少しの準備があれば助かった命」が本当に多くありました。
今日からの冬対策に、必ず役立ててください。

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