【防災士が解説】防災×冬の「高齢者の除雪支援」――地域で命を守る“冬の共助”が必要です

冬の災害で最も多い死亡事故のひとつが 「除雪中の高齢者の事故」
転倒・落下・心筋梗塞・埋没…毎年必ず尊い命が奪われています。

防災士として雪害対応に携わるなかで強く感じるのは、
「高齢者を一人で除雪させない仕組みづくり」こそ、冬の防災の核心 だということ。

この記事では、高齢者の除雪事故の特徴と、地域で命を守る支援策をまとめて解説します。


■① 高齢者の除雪事故が多い“3つの理由”

高齢者が除雪で命を落としやすいのには明確な理由があります。

  • 体力・筋力が低下しており重労働に耐えられない
  • 寒暖差で血圧が急上昇し、心筋梗塞・脳卒中のリスクが高い
  • 判断力・バランス能力が落ち、転倒しやすい

特に 屋根の雪下ろし・団地の階段除雪・車庫前の雪かき が最も危険です。


■② 実際に多い高齢者の除雪事故パターン

防災現場の記録で多い事故は次の通りです。

  • 雪の重みでスコップを持ち上げた瞬間に転倒
  • 屋根から落下して致命傷
  • 雪の塊が直撃して埋没
  • 作業中に心臓発作で倒れ発見が遅れる
  • スリップし腰椎骨折 → そのまま寝たきりに

多くの事故は 「1人で作業していた」 という共通点があります。


■③ 高齢者が除雪してはいけない条件

以下の条件に当てはまる場合、除雪は“禁止レベル”です。

  • 高血圧・心臓疾患・糖尿病など基礎疾患がある
  • 70歳以上
  • 1人暮らし
  • 階段・屋根など危険場所の除雪
  • 軽度の認知機能低下

防災士の立場では、
「高齢者が屋根に登る」=最も避けるべき冬の行為 です。


■④ 家族ができる“除雪支援”の基本

家族が遠方でも、以下の支援は確実に事故を減らします。

  • 週2〜3回、高齢者の家の状況を電話・ビデオ通話で確認
  • 積雪量が増えたら除雪業者を手配
  • 滑り止め付き長靴を買ってあげる
  • 無理をしないよう声かけを継続
  • 玄関前・車庫前は家族が優先して除雪

家族の関与だけで事故発生率は大幅に下がります。


■⑤ 地域でできる“共助の除雪支援”

地域の力は高齢者の事故を大きく防ぎます。

  • 町内会・自治会の 除雪ボランティア制度
  • 高校生・大学生の 雪かき支援隊
  • 自治体の 除雪支援サービス(無料・有料)
  • 住民が交代で道路・家前の雪を分担
  • 除雪困難者リストを共有して声かけ

高齢者に「頼れる相手がいる環境」をつくることが重要です。


■⑥ 自治体の除雪支援制度の活用

多くの自治体には以下の制度があります。

  • 高齢者・障害者の除雪費用補助
  • ボランティアマッチング
  • 除排雪作業の優先区域指定
  • 緊急見守り支援

対象は
75歳以上・1人暮らし・障害者世帯 が中心です。

住んでいる地域の“除雪支援制度”の確認を必ず行いましょう。


■⑦ 高齢者が自分で除雪する場合の最低限の安全対策

どうしても自分で行う場合は次を徹底。

  • 1人で作業しない
  • 20〜30分で必ず休憩
  • 体を温めてから外へ出る
  • 防寒+滑り止め靴を必ず着用
  • 金属スコップではなく軽量スコップ
  • 心拍が上がりすぎたら即中止
  • 風の強い日は作業しない

防災士の現場では、
「安全装備+短時間作業」が事故防止の鉄則 です。


■⑧ 除雪業者を活用するという“安全な選択”

命を守るためには、業者の利用は立派な防災行動です。

  • 料金は地域差あるが1回数千円〜
  • 屋根の雪下ろし専門業者も存在
  • 家族で費用を出し合う方法も有効
  • シーズン契約で安定的に安全を確保

高齢者の除雪事故は
「お金で防げる災害」 とも言えます。


■まとめ|高齢者の除雪は“支援して守るべき命の課題”

高齢者の除雪事故は毎年必ず発生し、
その多くは 防げる事故 です。

家族・地域・自治体が連携し、
高齢者を除雪作業から“遠ざける仕組み”が不可欠です。

結論:
高齢者を除雪作業から守ることが、冬の防災で最も重要な命の対策。家族・地域の共助が事故を確実に防ぐ。

防災士として、
「高齢者を一人で除雪させない」
これを冬の鉄則として必ず伝えています。

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