「食中毒は夏のもの」というイメージを持っている人は少なくありません。しかし実際には、冬こそ注意が必要な食中毒があります。それがノロウイルスです。
厚生労働省も「冬の食中毒」への注意を呼びかけており、特に家族間、学校、高齢者施設などでの集団感染が問題になっています。災害時や避難生活でも起こりやすい感染症であり、防災の視点からも知っておくべき内容です。
■① 冬に食中毒が増える理由
厚労省によると、2024年の食中毒患者数は1万4229人。その約6割がノロウイルスによるもので、発生件数の6割が11〜2月に集中しています。
ノロウイルスは、
・低温でも生き残る
・乾燥に強い
・ごく少量で感染する
という特徴があり、冬の環境と非常に相性が悪いウイルスです。
■② 発症までが早く、家庭内で一気に広がる
感染から発症までは24〜48時間。
主な症状は、
・吐き気
・嘔吐
・下痢
・発熱
特に子どもや高齢者は重症化しやすく、脱水や体力低下につながります。
被災地や避難所でも、体力が落ちた状態で感染すると回復に時間がかかり、「災害関連死」の引き金になるケースも現場で見てきました。
■③ 手洗いは「回数」と「範囲」が重要
ノロ対策で最も重要なのは手洗いです。ただし、なんとなく洗うだけでは不十分です。
厚労省が推奨しているのは、
・せっけん・ハンドソープを使用
・指先、爪の間、手のひら
・手の甲、手首まで
・2回以上しっかり洗う
という方法です。
災害時、断水で手洗いが不十分になると、ノロは一気に広がります。
■④ アルコールは効かないという落とし穴
多くの人が誤解しているのがアルコール消毒です。
ノロウイルスには、
アルコールはほとんど効果がありません。
有効なのは、
・塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めた消毒液
感染者が使ったタオル、衣類、食器、嘔吐物が付着した物は、
・分けて扱う
・すぐ消毒
が鉄則です。
■⑤ 洗濯・食器は「後回し」が危険
感染者の衣類やタオルは、
・他の洗濯物と一緒にしない
・できれば手袋を着用
・洗濯前に塩素系消毒
食器も、
・食後すぐに消毒液へ浸す
という対応が必要です。
避難所や被災地では「後でやろう」が感染拡大につながります。
■⑥ ノロは「防災の敵」でもある
ノロウイルスは災害と非常に相性が悪い感染症です。
・断水
・トイレ不足
・手洗い環境の悪化
・体力低下
これらが重なると、一気に集団感染が起こります。被災地では「地震や水害より後からノロが広がった」という例も珍しくありません。
■⑦ 今日からできる最小の対策
完璧を目指す必要はありません。まずは、
・冬でも食中毒を疑う意識
・手洗いを雑にしない
・塩素系漂白剤を家に置く
これだけでも十分な備えになります。
■まとめ|結論:冬の食中毒は「生活防災」
結論:
ノロウイルス対策は、特別な医療知識ではなく、生活防災そのもの。
災害時だけでなく、日常からできているかどうかが、いざという時に家族や周囲を守る力になります。
「冬だから大丈夫」ではなく、冬こそ警戒する。
この意識を、ぜひ今日から持ってください。

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