冬の災害で、ほとんど意識されない感覚があります。それが「匂い」です。寒さは嗅覚を鈍らせ、鼻水やマスク、乾燥した空気が匂いの情報を遮断します。冬は、危険のサインそのものが消える季節です。
■① 冬は嗅覚が確実に鈍る
低温と乾燥は、嗅覚の感度を下げます。さらに鼻炎や風邪、マスクの着用によって、匂いを感じにくい状態が日常化しています。
■② 匂いで気づく危険は意外と多い
ガス漏れ、焦げ臭さ、電気配線の異臭など、災害時に重要な初期サインの多くは匂いです。冬はこれらを察知できないまま、事態が進行する可能性があります。
■③ 「臭わない=安全」という誤解
匂いを感じないことで、人は無意識に安心します。しかし実際には、感覚が鈍っているだけというケースも少なくありません。冬は安全確認の基準が狂いやすい季節です。
■④ 暖房使用が匂いを隠す
ストーブやエアコンの風は、匂いを拡散・希釈します。一酸化炭素や焦げの初期臭は、暖房運転中ほど気づきにくくなります。
■⑤ 停電後に危険が顕在化する
停電で暖房が止まった瞬間、室内に溜まっていた異臭が一気に広がるケースがあります。その時点では、すでに危険な濃度になっていることもあります。
■⑥ 匂いに頼らない確認が必要
冬の防災では、嗅覚に頼らない安全確認が重要です。音、視覚、機器表示など、複数の手段で異常を確認する習慣が必要になります。
■⑦ 子どもや高齢者ほど影響を受ける
嗅覚が弱い子どもや高齢者は、さらに危険に気づきにくくなります。家庭内で「匂いがしない=安全ではない」という認識を共有することが重要です。
■⑧ 冬の防災は五感の欠落を前提にする
冬は、音も匂いも感覚も鈍ります。だからこそ、感覚が欠ける前提で防災を組み立てる必要があります。
■まとめ|冬の防災は「感じられない危険」を疑う
冬の災害は、見えない・聞こえない・臭わないという条件が重なります。感覚に頼らない視点が命を守ります。
結論:
冬の防災は、「匂いに気づけない前提」で備えることが重要です。
防災士として現場を見てきましたが、冬は異常に気づくのが遅れやすい季節です。感じられない危険を想定することが、冬の防災の盲点を埋める鍵になります。

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