冬の災害で被災者を静かに追い詰めるのが、「お湯が使えない」という現実です。
暖を取る、体を清潔に保つ、温かい飲食をする――その前提が崩れることで、生活の質と心の余裕が一気に失われます。
■① 冬の避難生活は「お湯ありき」で成り立っている
私たちの冬の生活は、無意識のうちにお湯に依存しています。
入浴、洗顔、手洗い、食事、暖房補助。お湯が使えないだけで不便さは何倍にもなります。
■② 給湯設備の復旧は後回しになりやすい
電気や水道に比べ、給湯設備は復旧に時間がかかることが多く、
「水は出るが、お湯が出ない」状態が長期化しやすいのが現実です。
■③ 冷たい水での生活は体力を奪う
冷水での手洗いや洗顔は、
・体温低下
・手荒れ
・冷えの悪化
を招き、体力の消耗につながります。
■④ 清潔維持が難しくなり感染症リスクが高まる
お湯が使えないことで、
十分な洗浄ができず、ウイルス・細菌対策が不十分になります。
冬は感染症が広がりやすく、影響は深刻です。
■⑤ 温かい食事・飲み物が心を支えている
温かい食事や飲み物は、単なる栄養補給ではありません。
冷えた体と心をほぐす「心理的支え」でもあります。
■⑥ お湯がないと食事の満足度が著しく下がる
非常食があっても、
お湯がなければ温められず、食事は「冷たい作業」になります。
これが続くと食欲低下にもつながります。
■⑦ 現場で多かった誤解「我慢すればいい」
防災士として現場で多く見たのは、
「お湯がないくらい我慢すべき」という空気です。
しかし我慢の積み重ねが、体調悪化とメンタル低下を招いていました。
■⑧ 現実的な対策は“完璧を求めない”こと
カセットコンロ、保温ポット、魔法瓶。
少量でも「温かいものを作れる手段」を確保することが、冬の生存力を高めます。
■まとめ|冬の防災は「お湯をどう確保するか」
お湯は贅沢品ではなく、冬の命綱です。
少しでも温かさを確保できる工夫が、避難生活の質を大きく左右します。
結論:
冬の防災では「水」だけでなく「お湯」をどう確保するかまで考えることが重要です。
防災士として強く感じるのは、
お湯が確保できた避難所ほど、表情と会話が早く戻るという事実です。
それは快適さではなく、人としての尊厳を守る備えです。

コメント