災害が冬に起きた場合、「寒さ」だけでなく、多くの人を静かに追い詰めるのが「体を洗えない不快感」です。
これは単なる気持ちの問題ではなく、体調・メンタル・人間関係にまで影響する、見過ごされがちな重要課題です。
■① 冬は「汗をかかない=汚れない」は誤解
寒い季節でも、人は確実に汗をかきます。
厚着・暖房・寝汗・皮脂分泌が重なり、体は想像以上に汚れています。
■② 洗えない状態が続くと不快感が蓄積する
入浴できない、洗顔できない、髪が洗えない。
この状態が数日続くだけで、かゆみ・ベタつき・臭いが強いストレスになります。
■③ 冬は拭く水も冷たく、清拭をためらう
夏と違い、冬は水やウェットシートが冷たく感じ、
「拭くこと自体が苦痛」になりやすいのが特徴です。
■④ 皮膚トラブル・感染症のリスクが上がる
清潔を保てないことで、
・あせも
・かぶれ
・湿疹
・皮膚感染症
が起きやすくなります。
■⑤ 不快感はメンタルに直結する
「気持ち悪い」「自分が汚れている感じ」が続くと、
人と話すのが億劫になり、無意識に孤立しやすくなります。
■⑥ におい・見た目への不安が人間関係を壊す
自分の体臭が気になり、
周囲の視線を過剰に意識してしまうことで、
避難所内のストレスが増幅します。
■⑦ 冬は支援が届きにくい現実もある
給湯設備の復旧は後回しになりがちで、
冬場は「温かいお湯が出るまで数週間」というケースも珍しくありません。
■⑧ 現実的な対策は「完全に洗う」ではない
防災の現実解は、
・体拭き用ウェットティッシュ
・部分清拭
・着替え頻度を上げる
といった「割り切った清潔維持」です。
■まとめ|冬の避難では「清潔=生存力」
体を洗えない不快感は、時間差で心を削ります。
だからこそ「不快をゼロにしないが、減らす」工夫が重要です。
結論:
冬の防災では「寒さ対策」と同じレベルで「清潔対策」を考えることが、心と体を守る鍵になります。
防災士として現場を見てきて感じるのは、
清潔を保てた人ほど、避難生活での表情が崩れにくいという事実です。
これは我慢の問題ではなく、備えと知識の差です。

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