冬の避難所生活では、「寒くて何もする気が起きない」「動くのがとにかく億劫」という声が多く聞かれます。これは怠けではなく、寒さが人の心身に与える自然な反応であり、放置すると体調悪化につながる危険な状態です。
■① なぜ寒いと動く気力が出なくなるのか
寒さは体温を奪うだけでなく、脳の働きにも影響します。体が冷えると、エネルギーを節約しようとして活動量を下げる反応が起こります。これは生理的な防御反応であり、意思の弱さではありません。
■② 動かないことで起きる体への影響
動かない時間が長くなると、血流が悪くなり、冷えがさらに強まります。その結果、だるさ、痛み、体力低下が進み、「動けない→さらに動けなくなる」という悪循環に陥ります。
■③ 現場で見た要注意サイン
現場では、「トイレや食事以外ほとんど動かない」「声をかけても反応が薄い」という人ほど、体調を崩しやすい傾向がありました。これは心身の消耗が進んでいるサインです。
■④ 無理に動かそうとしない考え方
寒い中で「動け」「頑張れ」と言われると、かえって負担になります。重要なのは、気力が出るまで待つことではなく、気力がいらない動きを選ぶことです。
■⑤ よくある誤解
「動かない方が体力を温存できる」という考えは誤解です。動かなさすぎることで、体はさらに冷え、回復が遅れます。完全な静止は、冬の避難所ではリスクになります。
■⑥ 現実的にできる小さな行動
座ったまま足首を回す、かかとを上げ下げする、手をグーパーするなど、気力がほとんどいらない動きで十分です。これだけでも血流は改善され、体感温度が変わります。
■⑦ やらなくていい防災
避難所で運動メニューをこなす必要はありません。寒さの中で無理な運動をすると、かえって体調を崩します。小さく、短く、続けられる動きが正解です。
■⑧ 今日できる最小行動
今日できる行動は一つだけです。「寒いときでもできる、座ったままの動き」を一つ決めておいてください。気力が落ちたときの助けになります。
■まとめ|動く気力が出ないのは危険信号
冬の避難所で動く気力が出ない状態は、心身の消耗が進んでいるサインです。責めるのではなく、抜け出す工夫が必要です。
結論:
冬の防災では、「動く気力が出ない状態」を早めに察知し、気力を使わず体を動かす工夫が重要です。
防災士として現場を見てきた経験から言えるのは、小さな動きを続けられた人ほど、長期の避難生活でも体調を維持できていたということです。冬の備えは、動けない時の行動まで考えておくことが大切です。

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