冬の避難所生活では、「自分だけがつらいわけではない」「迷惑をかけたくない」という思いから、我慢を重ねて弱音を吐けなくなる人が少なくありません。これは美徳のように見えて、実は心身の不調を深刻化させる危険な状態です。
■① なぜ冬の避難所では弱音を吐けなくなるのか
寒さと不自由な環境が続くと、「耐えること」が当たり前になっていきます。周囲も同じ状況にいるため、自分のつらさを口にすることに罪悪感を覚えやすくなります。その結果、我慢が常態化します。
■② 我慢が続くことで起きる心身への影響
我慢を続けると、ストレスが外に出ず、内側に蓄積されていきます。これが不眠、食欲不振、頭痛、無気力といった形で表れ、気づいた時には回復に時間がかかる状態になっていることがあります。
■③ 現場で見た危険なサイン
現場では、「大丈夫です」と繰り返す人ほど、急に体調を崩すケースが目立ちました。表情が硬い、感情の起伏が少ない、相談を避けるといった変化は、我慢が限界に近いサインです。
■④ 弱音は迷惑ではなく情報
弱音を吐くことは、甘えでも迷惑でもありません。体調や心の状態を周囲に伝える「重要な情報」です。情報が共有されないと、支援や配慮が届かず、結果的に本人がより苦しくなります。
■⑤ よくある誤解
「弱音を吐いたら負け」「耐えれば何とかなる」という考えは、冬の避難所では危険です。我慢は美徳ではなく、消耗を加速させる要因になることがあります。
■⑥ 弱音を吐きやすくする現実的な工夫
大きな相談でなくても構いません。「少し寒い」「今日はきつい」と短い言葉で伝えるだけでも十分です。言葉にすることで、周囲も気づきやすくなります。
■⑦ やらなくていい防災
無理に前向きな言葉を絞り出したり、元気なふりを続ける必要はありません。自分の状態を偽ることが、最も心をすり減らします。
■⑧ 今日できる最小行動
今日できる行動は一つだけです。「弱音として出していい言葉」を一つ決めておいてください。短くても構いません。
■まとめ|弱音を吐けない状態は危険信号
冬の避難所で我慢が続き、弱音を吐けなくなるのは、心身が限界に近づいているサインです。否定せず、言葉にすることが回復への第一歩になります。
結論:
冬の防災では、弱音を吐くことを「自分と周囲を守る行動」として捉えることが重要です。
防災士として現場を見てきた経験から言えるのは、早めに気持ちを言葉にできた人ほど、深刻な体調悪化を防げていたということです。冬の備えは、我慢しない選択肢を用意することから始まります。

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