【防災士が解説】防災×冬|避難所で「温かい飲み物が飲めない」ことが心身に与える深刻な影響と備え

冬の避難所生活で、多くの人が口にする不満の一つが「温かい飲み物が飲めない」という状況です。水分は配られているのに、なぜこれほどつらく感じるのか。実はこれは、体温・体調・メンタルすべてに直結する重要な問題です。


■① なぜ冬の避難所では温かい飲み物が不足するのか

避難所では、飲料はペットボトルの水やお茶が中心になります。加熱するための設備や燃料、人手が限られているため、全員分の温かい飲み物を継続的に提供することは非常に困難です。結果として「飲めるが温まらない」状態が続きます。


■② 冷たい飲み物が体をさらに冷やす現実

冬の寒い環境で冷たい水分を摂ると、内臓が冷え、体温が下がります。体が冷えることで血流が悪くなり、疲労感やだるさが増し、免疫力も低下しやすくなります。水分補給をしているのに、逆に体調が落ちる原因になることもあります。


■③ 「飲みたいのに飲めない」ストレス

現場では「喉が渇いているのに飲みたくない」という声を多く聞きます。冷たい飲み物しかないため、無意識に水分摂取量が減り、脱水気味になる人も少なくありません。これは身体的な問題だけでなく、精神的なストレスも大きく影響しています。


■④ 温かい飲み物がもたらす安心感

一杯の温かいお茶やスープは、体温を上げるだけでなく、気持ちを落ち着かせる効果があります。避難所では、温かい飲み物を手にした瞬間に表情が和らぐ人を何度も見てきました。温かさは、言葉以上に人を安心させます。


■⑤ よくある誤解と見落とし

「水があれば十分」「喉が渇いたら飲めばいい」という考えは、冬の避難所では通用しません。寒さの中では、水分補給そのものが心理的負担になります。飲みやすさ、温度まで含めて考えないと、健康維持にはつながりません。


■⑥ 個人でできる現実的な備え

インスタントスープ、粉末飲料、即席味噌汁など、お湯があればすぐ飲めるものを備えておくことが有効です。カセットコンロが使えない場合でも、支援物資や炊き出しでお湯が出たときに活用できます。


■⑦ やらなくていい防災

高価な魔法瓶や特殊な加熱器具を無理に揃える必要はありません。普段から飲んでいる粉末飲料やスープを少し多めに備えるだけで十分です。特別なことより、続けられる備えが大切です。


■⑧ 今日できる最小行動

今日できる行動は一つだけです。自宅に「お湯を注げば飲める飲み物」が何種類あるか確認してください。味の選択肢があるだけで、避難生活のストレスは大きく減ります。


■まとめ|温かい飲み物は贅沢ではなく必需品

冬の避難所で温かい飲み物が飲めない状況は、体調悪化とメンタル低下を招きます。しかし、少しの備えでその影響は確実に軽減できます。

結論:
冬の防災では、水分の「量」だけでなく「温度」を意識することが、命と心を守るポイントです。

防災士として現場を見てきた経験から言えるのは、温かい一杯が人の回復力を大きく支えるということです。冬の備えは、体を冷やさない工夫から始めることが重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました