冬の避難所生活では、「あの人は暖かそう」「自分だけ寒い気がする」といった、防寒対策の差から生まれる不公平感が強くなりがちです。これは嫉妬や性格の問題ではなく、寒さと消耗が引き起こす、ごく自然な心理反応です。
■① なぜ防寒対策の差が強く意識されるのか
寒さは、人の注意を「自分の不快」に強く向けます。その状態で、毛布の枚数、服装、段ボールの有無などが目に入ると、どうしても比較が生まれます。冬の避難所では、この比較が日常的に起こります。
■② 不公平感が心に与える影響
不公平感が強まると、「我慢している自分だけが損をしている」という感覚が生まれます。この感覚は、怒り・孤独感・無気力を引き起こし、避難生活全体への不満につながりやすくなります。
■③ 現場で多かった不公平感の表れ方
現場では、「ため息が増える」「他人の様子を頻繁に気にする」「配布物に敏感になる」といった変化が多く見られました。これは心が疲れているサインであり、わがままではありません。
■④ 不公平感が長引くと起きる問題
不公平感が続くと、周囲への不信感が強まり、助け合いが減ります。結果として、避難所の雰囲気が悪化し、心身の回復が遅れてしまいます。寒さ以上に、人間関係が負担になるケースもあります。
■⑤ よくある誤解
「気にしなければいい」「比べるな」という言葉では、不公平感は消えません。感情は理屈だけでは抑えられず、むしろ否定されるほど強まります。
■⑥ 不公平感を和らげる現実的な考え方
完全な平等は難しいと理解したうえで、「自分が冷えないために今できること」に意識を戻すことが大切です。比較ではなく、体を守る行動に集中する方が、心は楽になります。
■⑦ やらなくていい防災
他人の備えを真似しようと無理をする必要はありません。また、感情を押し殺して「大人だから」と耐える必要もありません。不公平感を感じた自分を責めないことが重要です。
■⑧ 今日できる最小行動
今日できる行動は一つだけです。「自分の体を温めるために今できる工夫」を一つ決めておいてください。比較から意識を外すきっかけになります。
■まとめ|不公平感は寒さが生む心理反応
冬の避難所で防寒対策の差による不公平感が生まれるのは、寒さと消耗が原因です。否定せず、向き合い方を知ることが大切です。
結論:
冬の防災では、不公平感を「心が疲れているサイン」と理解し、比較より自分の体を守る行動を優先することが重要です。
防災士として現場を見てきた経験から言えるのは、不公平感に飲み込まれず、自分の状態に目を向けられた人ほど、長期避難でも心を保てていたということです。冬の備えは、感情の揺れまで想定して考える必要があります。

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