冬の停電は、災害の中でも“最も静かで、最も危険”です。
地震・豪雪・強風・火災の影響で電力が止まると、
暖房・給湯・調理・照明すべてが同時に失われます。
私は能登半島地震・北海道ブラックアウトの支援で、
「電気が戻らない家」で起きた深刻なトラブルを数多く見てきました。
今回は、冬の停電で必ず発生する“3つの危険”と、
今日からできる具体的な命の守り方を解説します。
■① 危険その1|“室温の急低下”で低体温症リスクが急上昇
冬の家は、暖房が止まって3〜4時間で一気に寒くなる。
特に注意すべき症状は
- 手足が冷たい
- 顔色が悪い
- 震えが止まらない
- うとうとする(低体温症の危険)
これらが複合すると命に関わる状態になります。
即効対策:
- 1部屋に家族を集めて暖房ゾーンを作る
- 窓に毛布・段ボール・プチプチを貼る
- 床に銀マット・毛布を敷く(冷気を遮断)
- 温かい飲み物で体温を上げる
暖房より“熱を逃がさない仕組みづくり”が最優先です。
■② 危険その2|“水道の凍結”で生活が破綻する
冬の停電では、暖房機能だけでなく
給湯器・凍結防止ヒーターも止まります。
その結果、
✔ 水道管が凍結
✔ トイレが流れない
✔ 洗い物どころか手も洗えない
✔ 給湯器が故障して高額修理に
特に山間部や積雪地域では数時間で凍結することもありました。
即効対策:
- 少量でよいので水を“細く流し続ける”
- 事前に浴槽へ水をためておく
- 飲料水2〜3日分(1人3〜6L)を確保
- トイレ用の生活用水(バケツ)を準備
電気停止 → 水も止まる可能性がある
これを前提に備えることが重要です。
■③ 危険その3|暗闇と寒さで“判断力・行動力”が落ちる
冬の停電は、ただ暗いだけではありません。
暗い × 寒い × 静か
この組み合わせは人間の脳に大きなストレスを与えます。
実際に現場でも、
✔ 小さなトラブルが大きな事故に発展
✔ 子どもが極度に不安になり眠れない
✔ 高齢者が動けなくなる
というケースが多くありました。
即効対策:
- LEDランタンは“部屋の上部に吊るす”と明るさが倍に
- スマホライトは節電モードで使用
- USB電気毛布をポータブル電源で稼働
- 家族全員の動線を1つにまとめて安全確保
精神の安定=命の安全
これは避難所支援でも痛感したポイントです。
■④ 夕方〜夜の停電は“最も危険”
冬の災害で特に危険なのは
「夕方に発生した停電」。
暗くなるのが早く、
気温が一気に下がり、
電力復旧の見込みが立ちづらい。
特に高齢者や乳幼児のいる家庭は、
暖房不足による体調悪化が起きやすくなります。
やるべきこと:
- 日没前に暖房ゾーンをつくる
- 食事は早めに準備
- 使う部屋を最小限に
- 暗くなる前に照明を設置
準備が遅れるほどリスクが増えます。
■⑤ ポータブル電源は“暖房”より“命の維持”に使う
停電時、ポータブル電源を
電気ストーブに使いたくなりますが…
消費電力が大きすぎて現実的ではありません。
使うべき優先順位は
- 通信手段(スマホ・充電)
- USB電気毛布
- LED照明
- ラジオ
- 小型湯沸かし器(可能なら)
特にUSB電気毛布は“最強の暖房代替”です。
■⑥ 子どもの“寒さと不安”は大人以上に深刻
子どもは体温調整が苦手で、
寒さで眠れないことが多いです。
さらに暗闇は恐怖心を増幅させるため
メンタルも崩れやすい。
被災地で効果があったのは:
- 明るいLEDライトを部屋の中心へ
- 毛布で“家族の巣”を作る
- 温かい飲み物を作る
- 役割を与えて不安を軽減(ライト係など)
“安心感”は最大の防災対策です。
■⑦ 冬の停電は「最初の1〜2時間の行動」で生存率が変わる
北海道ブラックアウト支援で痛感したことです。
停電直後に
✔ 断熱対策
✔ 明かりの確保
✔ 生活水の確保
✔ 暖房ゾーン作り
を行った家庭は、
その後の48時間を“落ち着いて過ごせた”というデータがあります。
逆に何もしないと、
夜になるころには体が冷え切り、
精神も不安定になります。
■⑧ 今日からできる“冬停電の備えチェック”
- カイロを1人10枚以上
- USB電気毛布
- ポータブル電源
- 銀マット・毛布
- 窓の断熱材
- 飲み水3日分
- LEDランタン×2〜3個
- 手動ライト
- スマホのモバイルバッテリー
これだけでも「生きる力」が飛躍的に上がります。
■まとめ|冬の停電は「寒さ・暗さ・水不足」が連鎖して危険になる
電気が止まると、
寒さだけでなく生活全体が崩れます。
結論:
冬の停電では“室温を守る仕組みづくり”と“水・光・通信”が命をつなぐ。
防災士として現場で感じたのは、
小さな備えが、家族を守る“圧倒的な力”になるということ。
あなたの家庭が、
いつ停電しても生き抜ける準備を整えておきましょう。

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