【防災士が解説】防災×冬×地震③|“積雪・凍結”が避難を阻む|命を守るための外出リスクと対策

冬の地震では「揺れ」よりも、そのあとに襲ってくる
積雪・凍結・暴風雪 が命の危険を大きくします。
私は被災地支援の経験の中で、冬の地震がいかに“避難行動を難しくするか”を何度も見てきました。

ここでは、冬特有の道路リスクと、家族が安全に避難するための準備を解説します。


■① 積雪が“避難速度”を奪う

雪道では走れない。歩幅も狭くなる。
特に子ども・高齢者は転倒リスクが高く、避難に2〜3倍の時間がかかります。

対策

  • 靴は滑り止めのあるものを枕元に
  • スノーブーツを玄関にまとめておく
  • 避難経路は“最短距離”ではなく“安全な道”で選ぶ

■② 凍結路面は夜間が最も危険

冬の深夜〜早朝は路面が完全に凍ります。
避難所が近くても、外に出た瞬間に転ぶケースは多いです。

被災現場でも、
「玄関を出て5メートルで転倒し骨折」
という声は少なくありません。

対策

  • 軽アイゼン or 滑り止めバンドを用意
  • ストック(杖)代わりに折り畳みポール
  • 手袋は必須(転倒時に手を守る)

■③ 車で避難できない可能性が高い

冬の地震では道路が…

  • 凍結
  • 亀裂
  • 陥没
  • 倒木
  • 立体交差で渋滞

になり、車が動かないことがあります。

能登半島地震の現場でも、夜間凍結で通行不可能な道が多数ありました。

対策

  • 車は“満タン”を基本(冬は特に)
  • スタッドレスは必ず装着
  • 車中避難も視野に入れた装備
  • 毛布
  • 寝袋
  • カイロ
  • モバイルバッテリー

■④ 吹雪は“視界ゼロ”をつくる

雪が横殴りになると、
2〜3メートル先が見えない状況になります。

夜ならさらに視界が悪化。
避難所がすぐ近くでも、正しい方向に進めないケースがあります。

対策

  • 懐中電灯 or ヘッドライトを家族全員分
  • 反射材のついた上着を使用
  • 子どもには“手を離さないルール”

■⑤ 雪国は「屋根雪・落雪」が危険

揺れで屋根雪が一気に落ちてくることがあります。

雪国の被災地で実際に起きた例:

  • 揺れの後、玄関前で落雪に直撃
  • 車の上に雪が落ちて扉が開かない
  • 落雪で窓ガラスが破損

対策

  • 出入口の上の落雪ポイントを把握
  • 避難は“落雪のない側”から行う
  • 車は軒下から離して駐車する

■⑥ 子どもは冬の外出で急激に体温が奪われる

特に小学生以下は体温調節が苦手です。
避難途中で震えが止まらなくなり、そのまま体力を消耗するケースがあります。

対策

  • 子ども用の“即着られる上着”を枕元に
  • ネックウォーマー・手袋・帽子はセットで準備
  • カイロを2つ(背中+お腹)

■⑦ 夜の避難は“場所の目印”が見えない

雪で看板が見えない
街灯が停電で消える
道の境界が白く埋もれる

→ 避難所にたどり着けない人が出ます。

対策

  • 避難経路を昼間に必ず歩いておく
  • 途中の“暗くてもわかる目印”を家族で共有
  • 子どもにも避難ルートを説明しておく

■⑧ 「自宅待機」という選択肢も必要

冬の夜の避難は危険が多いため、
建物が安全な場合は無理に外へ出ない方が安全なケースもあります。

判断基準は次の通り:

✓ 建物が倒壊しそうか
✓ ガス漏れはないか
✓ 津波の心配はあるか
✓ 家族が外出できる状況か(体調・服装)

避難“しない”ことも命を守る判断です。


■まとめ|冬の地震は「外に出ること自体」が大きなリスク

積雪・凍結・吹雪・視界不良
これらが避難を非常に難しくします。

結論:
冬の地震は、屋外が危険。家族が短時間で外へ出られる準備を徹底することが最大の防災。
防災士として、冬の避難は“冷静な判断と事前準備”が命を左右することを強くお伝えします。

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