病気や災害は、ある日突然やってきます。
そして「医療費」は、家計を大きく揺らす“生活インフラのリスク”のひとつです。
2025年12月、厚生労働省が「高額療養費制度」の見直し案を公表しました。
がんなど長期間治療を続ける患者の負担軽減策は維持される一方、
70歳以上の外来特例の見直しなど、“一部負担増”となる内容も含まれています。
この記事では、医療制度の変更が防災(生活防衛)にどう関わるのか、
そして、家計を守るために今できる備えを【防災士】の視点で解説します。
■いま何が議論されているのか(概要)
厚生労働省が示したポイントは次のとおりです。
- 高額療養費の多数該当(4回目以降の負担減)は現行維持
- がん治療など長期患者にとっては継続治療の生命線となる措置。
- 所得区分の細分化
- “支払い能力に応じた負担”をより厳密にする方向。
- 70歳以上の外来特例を見直し、負担引き上げへ
- 高齢者医療の持続性を確保する目的。
昨年末の「患者負担増案」が患者団体から強い反発を受け凍結されましたが、
今回も一定の負担増となるケースがあり、議論が続いています。
■防災の視点から見る「医療費=生活リスク」
防災は「災害への備え」だけではありません。
家族の命と生活を守るためには、次の3つのリスクから身を守る視点が必要です。
① 急病・怪我という“突然の災害”
地震や台風と同じで、病気も突然やってきます。
治療費が高額になると、生活基盤が崩れる危険があります。
② 長期治療という“慢性的な災害”
がん・慢性疾患の治療は、家計に長期的な負荷をかけます。
今回の制度維持(多数該当の継続)は、実質的な生活防災対策です。
③ 社会制度の変更という“見えない災害”
医療制度は数年ごとに改定されます。
「知らないうちに負担が増えていた」は最も危険なパターンです。
■家計と命を守るために、今できる3つの備え
●① 家計の“耐震補強”としての緊急予備資金
災害用備蓄と同じで、医療費用の備えは命を守る準備です。
- 生活費3〜6か月分の緊急資金
- 高額療養費適用までの“立替負担”にも備える
●② 医療費制度の理解=生命線の確保
特に知っておくべきポイントは以下。
- 高額療養費は「あと払い方式」のため一度は窓口負担が発生
- 多数該当(4回目以降負担軽減)は長期治療の重要支援
- 所得区分の細分化で自己負担が変わる可能性
知らないと“本来払わなくていい金額”を負担することにもつながります。
●③ 家族の健康維持は最大の防災
病気や怪我を減らすことは、最強の節約であり最強の防災対策です。
- 生活習慣の改善
- 予防接種の適切な活用
- 早期受診・早期治療
「健康」は、災害にも家計にも強い家庭をつくる最大の資源です。
■まとめ|制度改定は“防災の一部”としてとらえる
今回の制度見直しは、
- 長期治療患者への負担軽減は維持
- 一部の世帯では負担増の可能性
という、家計に直結する内容です。
防災とは “災害から命を守る準備” であると同時に
“生活を壊さないための準備” でもあります。
制度改定は定期的に起こる“社会的災害”とも言えるため、
正しい情報を知り、家族の生活が揺らがないよう備えていきましょう。

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