【防災士が解説】防災×国土面積|日本は狭い?広い?世界比較から考える“災害リスクの本質”

「日本は狭い国だ」
よく耳にする言葉です。

しかし本当に日本は狭いのでしょうか。
そして、それは防災とどのように関係しているのでしょうか。

今回は「日本の国土面積」を世界と比較しながら、防災の視点で考えてみます。


■① 日本の国土面積は世界で何位?

日本の国土面積は約37万8千平方キロメートルです。

世界約200か国の中で見ると、
およそ60位前後に位置します。

決して“極端に小さい国”ではありません。

ヨーロッパで言えばドイツ(約35万㎢)とほぼ同規模です。
イギリスよりも広く、イタリアよりも広い国です。


■② ではなぜ「狭い」と感じるのか

日本は山地が約7割を占めています。

つまり、
人が暮らせる平地は限られているのです。

都市部に人口が集中し、
可住地面積は実質的に小さい。

そのため体感的に「狭い」と感じやすいのです。


■③ 世界と比べた“人口密度”

面積だけでは本質は見えません。

重要なのは「人口密度」です。

日本の人口密度は1平方キロメートルあたり約330人。
世界的に見ても高い水準です。

さらに都市部では、
東京23区の人口密度は1万5千人以上/㎢。

“面積”よりも“密集度”が防災リスクを高めています。


■④ 面積と災害リスクの関係

国土が広い国は、
災害が起きても分散しやすい傾向があります。

一方、日本は

・山が多い
・川が短く急流
・都市が集中
・海に囲まれている

という地理条件を持ちます。

その結果、

・土砂災害
・洪水
・津波
・都市火災

が複合的に発生しやすいのです。


■⑤ 防災士として現場で感じる“誤解”

「日本は先進国だから大丈夫」
という声をよく耳にします。

しかし実際の現場では、

・避難所が想定以上に混雑する
・道路が一瞬で麻痺する
・救急対応が追いつかない

といった現象が起こります。

狭いのは“国土”ではなく、
“余裕”なのです。


■⑥ 面積よりも重要な“初動判断”

大規模災害では、
公助には限界があります。

人口が集中している以上、
支援は同時多発的に必要になります。

だからこそ重要なのが、

・自律型避難
・早期判断
・徒歩圏内の安全確認

です。

国が広いか狭いかよりも、
“自分の動き方”が命を左右します。


■⑦ 狭い国だからこそできる共助

人口密度が高いことは、
リスクでもあり、強みでもあります。

近くに人がいる。
声をかけられる。
助け合える。

地域のつながりが機能すれば、
強い防災力になります。


■⑧ 今日できる視点の転換

「日本は狭い」と思うのではなく、

・自分の生活圏はどれくらい密集しているか
・避難経路は何人が使う想定か
・徒歩圏内の安全地帯はどこか

こうした具体的視点を持つことが重要です。

防災は国の広さではなく、
“生活圏の把握”から始まります。


■まとめ|広さではなく、密度を見よ

日本は世界的に見て極端に小さな国ではありません。
しかし、可住地の少なさと人口密度の高さが、防災リスクを高めています。

結論:
日本は「狭い国」ではなく「密集した国」である。

防災士として感じるのは、
面積の議論よりも、日常の備えのほうがはるかに重要だということです。

広さは変えられません。
しかし、判断力と行動力は変えられます。

自分の生活圏を知ること。
それが防災の第一歩です。


■出典
外務省「各国の面積・人口に関する基礎データ」
https://www.mofa.go.jp

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