政府が「国家情報局」の設置に向けた法案を早期に提出する方針を示しました。
あわせて、対日投資を審査する協議体の設置も検討されています。
一見すると「安全保障」の話に見えますが、
実は防災とも深く関係しています。
元消防職員・防災士の立場から、
“情報の力”が災害対応をどう変えるのかを解説します。
■① 国家情報局とは何か
国家情報局とは、
国内外の情報を一元的に分析し、政策判断に活かすための組織です。
目的は、
・安全保障リスクの把握
・サイバー攻撃対策
・重要インフラ防護
・危機発生時の迅速判断
など。
災害は「自然」だけでなく、
サイバー攻撃やインフラ妨害と連動する可能性もあります。
その意味で、情報機能の強化は防災とも直結します。
■② 災害対応で“情報の遅れ”が招くもの
被災地で活動してきた経験から言えることは、
最初の数時間の情報精度が、被害の拡大を左右する
ということです。
・どこが孤立しているのか
・医療が必要な場所はどこか
・道路は通行可能か
これが正確に把握できなければ、
救助は遅れます。
情報機能の強化は、
救助のスピードに直結します。
■③ サイバー災害という新しい脅威
近年、電力・通信・水道などのインフラはデジタル制御されています。
もし大規模災害と同時にサイバー攻撃が起きれば、
・通信停止
・電力障害
・医療システム停止
といった複合災害が発生する可能性があります。
国家レベルでの情報統合は、
こうした複合リスクへの備えでもあります。
■④ 対日外国投資審査と防災の関係
対日外国投資委員会の設置は、
重要インフラへの投資リスクを審査する枠組みです。
例えば、
・発電所
・通信基地局
・港湾
・空港
これらが国家的リスクにさらされれば、
災害対応にも影響します。
平時の審査強化は、
有事の混乱を防ぐための土台づくりです。
■⑤ 現場で感じた“情報の壁”
被災地派遣(LO)で現場に入った際、
情報の縦割りによる遅れを何度も経験しました。
自治体・警察・消防・自衛隊。
それぞれが情報を持っている。
しかし共有が遅れる。
その間に、
助かる命の時間が減っていく。
だからこそ、
国家レベルでの情報統合は意味があります。
■⑥ 行政が言いにくい本音
行政は万能ではありません。
全情報を即時把握できるわけではない。
だからこそ、
住民側も「自律型避難」の意識が必要
です。
情報が出るのを待つのではなく、
危険を感じたら先に動く。
これが被害を減らします。
■⑦ 情報があっても判断できなければ意味がない
国家情報局ができても、
最終的に判断するのは人です。
防災士として現場で多かったのは、
「情報は出ていたのに、動かなかった」
というケースです。
情報の強化と同時に、
受け取る側の理解力も重要です。
■⑧ 私たちにできること
国家レベルの話で終わらせない。
個人でできることは、
・自治体の防災情報をフォロー
・防災アプリを入れる
・家族で行動ルールを共有
・避難所位置を把握
国家が情報を強化しても、
最後に命を守るのは自分の行動です。
■まとめ|国家情報強化は“防災の基盤”
国家情報局の設置は、
単なる安全保障政策ではありません。
それは、
災害対応力の底上げにもつながる基盤整備です。
結論:
情報の統合は国の防災力を高めるが、命を守る最後の判断は個人にある。
元消防職員として断言します。
どれだけ情報があっても、
動かなければ意味がない。
国家の備えと、
個人の自律型避難。
その両輪が、これからの防災です。
■出典
首相会見報道(2026年2月)

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