少子高齢化が進む日本では、災害時の支援を担う人材確保が重要な課題となっています。こうした背景から、外国人住民を防災の担い手として育成する取り組みが各地で進んでいます。外国人にとっては、防災を通じて地域になじむきっかけにもなっています。
■① 外国人防災リーダーの活動事例
2025年11月22日、神戸市西区で行われた救出訓練では、ジャッキを使った救出方法を学ぶベトナム人留学生らの姿がありました。地域での災害対応の経験を積むことで、支援側としての役割を実践しています。
■② 仙台市の取り組み
仙台市では、外国人向けに防災情報を提供する「せんだい外国人防災リーダー」制度が運用されています。例えば、青森県沖を震源とする最大震度6強の地震発生時、ネパール出身のドゥワディ・バワニさんは、地震や津波に備える注意喚起情報をネパール語に翻訳し、観光協会のサイトやSNSで発信しました。
バワニさんは2007年から日本在住で、東日本大震災の経験から防災の重要性を痛感。「自分が学んだことを、ほかのネパール人にも伝えたい」と手を挙げ、リーダーとして活動を開始しました。
■③ 外国人防災リーダー研修の内容
仙台観光国際協会は2020年から外国人向けの研修を実施。内容は以下の通りです。
- 外国語による防災情報の発信
- 避難所運営の基礎
- 緊急時の連絡・安全確認
これまでに57人が認定され、留学生の多い地域では町内会の避難所運営委員会に加わる例もあります。
■④ 地域との関わり
防災リーダーとして活動することで、外国人は地域との交流を深めています。バワニさんは町内会と意見交換を行い、清掃活動や茶話会にも参加。町内会の役員としても活動することで、地域での存在感を高め、日常生活でも前向きに関わるようになりました。
■⑤ 「支えられる側」から「支える側」へ
外国人防災リーダー制度のメリットは次の通りです。
- 外国人住民が地域に溶け込むきっかけになる
- 災害時の情報発信力や避難所運営能力を習得
- 地域コミュニティの防災力を向上
支援を受ける側から支援する側へ立場を変える経験は、外国人の自信と地域参加意識を高め、防災体制の強化にも寄与します。
■⑥ まとめ
- 外国人住民の防災リーダー育成が全国で進む
- 語学力と地域理解を活かして情報発信や避難所運営に参加
- 地域コミュニティとの交流を通じて、災害時だけでなく日常生活でも支える力を育む
災害に備えるうえで、多様な人材の参画は地域防災力の底上げにつながります。外国人防災リーダーの活動は、「支えられる側」から「支える側」へと立場を変え、地域全体の安全と安心を支える新しいモデルとなっています。

コメント