【防災士が解説】防災×大掃除|年末の掃除が「災害時の安全性」を高める理由

年末の大掃除は、単なる家事ではありません。
防災の視点で見ると、大掃除は「自宅の安全点検」と「災害リスクの洗い出し」を同時に行える、非常に効果的な機会です。

実際、災害現場では「掃除や整理が行き届いていた家ほど被害が軽減された」という事例を何度も目にしてきました。
今回は、プロの掃除技術を防災にどう活かすかという視点で整理します。


■① 大掃除は「家の危険箇所チェック」の時間

大掃除で家具を動かしたり、普段触らない場所を確認すると、

・家具の転倒リスク
・配線の劣化
・割れやすい物の放置
・通路の狭さ

といった災害時の危険ポイントが自然と見えてきます。

掃除=片付けではなく、
掃除=災害時にケガをしない環境づくり
という認識が重要です。


■② 窓・サッシ掃除は「避難経路の確保」

窓やサッシは、地震や火災時に「脱出経路」になる可能性があります。

土埃が溜まったサッシは、
・窓が開かない
・ガラスが割れた際に動かせない

といった事態を招きます。

水を使わず、ブラシと中性洗剤で掃除する方法は、
冬場の凍結リスクを減らしつつ、安全確認もできる合理的なやり方です。


■③ 水回り掃除は「衛生確保の防災」

災害時は断水が長期化しやすく、
トイレ・風呂・排水溝の状態が生活の質を左右します。

排水溝を分解し、部品ごとに洗浄することで、
・詰まり
・悪臭
・衛生トラブル

を未然に防ぐことができます。

防災は、避難前よりも避難後の生活をどう守るかが重要です。


■④ 洗剤の使い方ミスは「二次被害」につながる

塩素系洗剤と弱酸性洗剤の併用は危険です。
これは掃除の基本ですが、防災上も重要なポイントです。

災害時の限られた環境で、
誤った洗剤使用による有毒ガス発生は命に関わります。

メーカーの取扱説明書を守る習慣は、
非常時の安全行動の訓練にもなります。


■⑤ アルコール使用の誤解は危険

「アルコール=万能」という思い込みは危険です。

・液晶画面への使用
・ワックス床への多用

は、機器破損や床劣化につながります。

実際、災害後に
「掃除や消毒で逆に設備を壊した」
というケースも見てきました。

正しい知識は、防災力そのものです。


■⑥ トイレ掃除は「傷をつけない」が防災

乾いたウエットシートやトイレットペーパーでの拭き掃除は、
目に見えない傷をつくり、菌が繁殖しやすくなります。

災害時にトイレが使えなくなる原因の一つが、
平時の誤った掃除方法による劣化です。

濡れたシートでの水拭きは、
防災の観点でも非常に重要です。


■⑦ 大掃除は「情報の取捨選択」訓練

SNSやネットには、
根拠の薄い掃除方法や危険な裏技があふれています。

これは防災情報にも共通します。

・誰が言っているか
・根拠はあるか
・公式情報か

を見極める力は、
災害時の正しい判断に直結します。


■⑧ 防災士から見た「実際に多かった失敗」

防災士として現場で多く見たのは、

・物は多いが整理されていない家
・掃除されておらず通路が狭い家
・洗剤や道具の使い方を誤っている家

でした。

誤解されがちなのは、
「防災グッズを買えば安心」という考えです。

行政側が本音で感じているのは、
家庭内の整理整頓こそ最大の減災策という点です。


■まとめ|大掃除は最も身近な防災訓練

年末の大掃除は、
1年の汚れを落とすだけの行事ではありません。

結論:
大掃除は「命を守る準備」を同時に進められる防災行動

防災士として現場を経験してきた立場から言えるのは、
日常の積み重ねが、非常時の生存率を確実に上げるということです。

掃除で家を整えることは、
自律型避難と安全な生活を支える、最も簡単で効果的な防災なのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました