引き渡し訓練は、
「やっているから大丈夫」と思われがちです。
しかし被災地では、
訓練をしていても本番で混乱した現場を何度も見てきました。
形だけにならないために、
本当に確認すべきポイントを現場経験を踏まえて整理します。
■① 引き渡しは「想像以上に時間がかかる」
被災地では、
一人ひとりの確認に時間がかかり、
引き渡し完了まで半日以上かかった学校もありました。
訓練が短時間で終わると、
実際とのギャップが生まれます。
「時間がかかる前提」を
親も子どもも理解しておくことが重要です。
■② 誰が迎えに来るかを明確にしているか
引き渡しで最も混乱しやすいのが、
迎えに来る人の確認です。
被災地では、
祖父母・親戚・知人が来て
確認に時間を要したケースがありました。
訓練時こそ、
「誰に引き渡すか」が
正確に運用できているかを確認します。
■③ 子どもが待てる環境になっているか
引き渡しを待つ時間、
子どもは不安と疲労が重なります。
被災地では、
待機場所の環境次第で
子どもの落ち着きが大きく変わりました。
・座れる場所があるか
・暑さ寒さへの配慮
・声かけができているか
これらも重要な確認点です。
■④ 連絡が取れない想定で動けているか
実際の災害では、
連絡手段が使えないことが多くあります。
被災地では、
「連絡が来ないから判断できない」
という混乱が起きました。
訓練でも、
連絡がない前提で
引き渡しが進むかを確認します。
■⑤ 子どもが状況を理解できているか
引き渡し訓練は、
大人の動線確認だけでは不十分です。
被災地では、
「何が起きているか分からない」
ことで不安を強める子どもがいました。
訓練中に、
子どもへの説明や声かけが
行われているかも重要です。
■⑥ 保護者側の動きは整理されているか
被災地では、
保護者が一斉に集まり、
入口付近が混乱する場面がありました。
訓練では、
保護者の並び方や導線が
整理されているかを確認します。
■⑦ 「迎えが遅れる」ケースを想定しているか
全員がすぐ迎えに来られるとは限りません。
被災地では、
仕事や交通事情で
迎えが大幅に遅れた家庭もありました。
その子どもが
どう過ごすかまで想定できているかが大切です。
■⑧ 訓練後に家庭で話し合っているか
引き渡し訓練は、
終わった後が本番です。
被災地では、
訓練後に家庭で話した子どもほど、
実際の災害時に落ち着いていました。
「どう感じたか」を
家庭で共有することが重要です。
■⑨ 引き渡し訓練は「確認の場」
引き渡し訓練は、
うまくやるための行事ではありません。
問題点を見つけるための場です。
被災地で役に立ったのは、
訓練で気づいた小さな改善でした。
引き渡し訓練で本当に大切なのは、
スムーズさではありません。
混乱した時に、
子どもが不安にならないか。
その視点を持つことが、
被災地で何度も子どもを守ってきた
現実的な防災につながります。

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