災害時、
子どもに何を言えばいいのか分からず、
言葉を失ってしまう親は少なくありません。
被災地では、
声かけ一つで子どもの状態が大きく変わる場面を何度も見てきました。
現場経験を踏まえ、実際に効果があった声かけを整理します。
■① 長い説明より「短い言葉」が届く
非常時、
子どもは複雑な説明を理解できません。
被災地で効果があったのは、
短く、同じ言葉を繰り返す声かけでした。
・「大丈夫」
・「一緒にいるよ」
・「ここに来よう」
情報量を減らすことが、
安心につながります。
■② 「怖くない」ではなく「怖かったね」
「怖くないよ」
「平気だよ」
という言葉は、
子どもの感情を否定してしまいます。
被災地では、
「怖かったね」「びっくりしたね」
と受け止める声かけをされた子どもほど、
落ち着きが早く戻っていました。
■③ 親の声のトーンが一番のメッセージ
言葉の内容以上に、
子どもは声のトーンを感じ取ります。
被災地では、
親が低く、ゆっくり話した瞬間に、
子どもの呼吸が整う場面を何度も見ました。
焦っている時ほど、
意識的に声を落とすことが重要です。
■④ 行動とセットで声をかける
声かけだけでは、
子どもは動けないことがあります。
・手をつなぐ
・肩に触れる
・同じ方向を見る
こうした行動と声をセットにすると、
言葉が届きやすくなります。
■⑤ 約束の言葉を使う
事前に決めていた言葉があると、
子どもは状況を理解しやすくなります。
被災地では、
「この言葉が出たら一緒に動く」
という約束がある家庭ほど、
混乱が少ない傾向がありました。
■⑥ 比較や叱責は逆効果
「他の子は泣いてないよ」
「もう大きいでしょ」
といった言葉は、
子どもを追い込みます。
被災地では、
この声かけが
その後の不安を長引かせるケースがありました。
■⑦ 声が出ない時は「そばにいる」
どう声をかけていいか分からない時、
無理に話す必要はありません。
そばにいる、
手を握る、
目を合わせる。
それだけで、
子どもは安心します。
■⑧ 落ち着いた後に「よく頑張ったね」
状況が落ち着いた後、
「よく頑張ったね」
「一緒に動けたね」
と伝えることで、
子どもは
「怖くても大丈夫だった」という記憶を残せます。
被災地では、
この一言が
次の行動への自信につながっていました。
■⑨ 声かけの目的は「静かにさせること」ではない
災害時の声かけの目的は、
子どもを黙らせることではありません。
安心して動ける状態を作ることです。
泣いていても、
落ち着いていなくても、
動ければ十分です。
災害時に子どもを落ち着かせる声かけは、
特別な言葉ではありません。
短く、低く、繰り返す。
そして、
そばにいることを伝える。
それが、
子どもの命と心を守る声かけになります。

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