【防災士が解説】防災×子育て|避難所で子どもの不快感を減らす「避難服」という考え方

災害時、親が一番つらいのは何でしょうか。
それは、自分の不安よりも「子どもがつらそうにしている姿」を見ることです。

泣く、ぐずる、眠れない。
寒い、暑い、着替えられない。

避難所で起きる子どもの不調の多くは、命に直結しない代わりに、心と体をじわじわ削っていきます。
しかし実際には、その多くは「少しの準備」で確実に軽減できます。


■① 避難所で子どもが一番つらいのは環境の変化

子どもは大人以上に環境の変化に敏感です。

知らない場所、知らない人、消えない音や明かり。
そして、いつもと違う服装。

この状態が続くと、不眠や体調不良、情緒不安定につながります。
これはわがままではなく、子どもにとって自然な反応です。


■② 親が見落としがちな服と下着の問題

避難所でよく見られるのが、着替えが1セットしかない状況です。

下着を替えられない。
汗をかいても拭くだけ。

子どもは汗をかきやすく、汚しやすく、我慢が苦手です。
そのため、服と下着の不快感が一気に表に出ます。


■③ 避難服とは特別な服ではない

避難服というと、防災専用品を想像しがちですが、そうではありません。

避難服とは、
「避難所生活を少しでも快適に過ごすための服装の考え方」
です。

普段着、部屋着、使い古し。
これらを、あらかじめ使う前提で準備しておく。
それだけで十分です。


■④ 子どもの避難服で意識したいポイント

子どもの避難服で大切なのは、楽であることです。

締め付けが少ない。
肌触りが良い。
着脱しやすい。
多少汚れても気にならない。

スウェット、ジャージ、長めのTシャツ。
おしゃれは不要です。


■⑤ 下着と靴下は三日分でいい理由

災害直後の初動3日間は、断水や洗濯不可、入浴不可が前提になります。

この期間を乗り切るために、
下着と靴下を三日分用意しておく。

新品である必要はありません。
使い古しで問題ありません。

汚れたら捨ててもいい。
この考え方が、親の心理的負担を大きく減らします。


■⑥ 体を洗えなくても快適に過ごす工夫

子どもが特につらく感じるのが、汗やベタつき、においです。

ここで役立つのが、体拭き用のウエットティッシュです。

顔、首、脇、足を拭くだけで、体感は大きく変わります。
これは現場で何度も確認されてきた事実です。


■⑦ 不快感を減らすことは心を守ること

子どもの不快感を放置すると、親も余裕を失い、判断力が落ちます。
その結果、周囲とのトラブルが増えることもあります。

一方で、少し着替えられる、少し清潔を保てる。
それだけで、子どもは落ち着きます。

不快感を減らすことは、心を守る防災です。


■⑧ 避難服は自律型避難への一歩

避難服は、我慢させるための備えではありません。

自分で着替えられる。
自分の快適さを保てる。

これは、子どもにとっての自律です。
親がすべてやらなくてもいい状態をつくることで、家族全体の防災力が高まります。


■まとめ|子どもを守る現実的な防災

避難所で子どもがつらいのは環境の変化です。
服と下着は不快感に直結します。
避難服は特別な商品ではありません。
使い古しと普段着で十分です。
不快感を減らすことは、心を守る防災です。

結論:
避難服は、子どもの尊厳と家族の判断力を守るための現実的な防災です。

防災士として現場を見てきて感じるのは、服装の不快感を軽く見た家庭ほど、避難所生活が長引くほどに疲弊していくという事実です。
逆に、少しの準備があるだけで、子どもも親も落ち着きを保ちやすくなります。
避難服は、自律型避難への確かな一歩です。

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