災害時、多くの親がまず心配するのは「子どもの命」と「子どもの安全」です。
しかし中長期の避難生活に入ると、次に大きな問題として浮かび上がるのが、子どものメンタルの変化です。
泣かなくなった、甘えなくなった、急に反抗的になった。
それは「落ち着いた」のではなく、環境に適応しようとして無理をしているサインかもしれません。
■① 子どもは「状況を理解できないまま耐えている」
子どもは大人のように、災害や避難生活を言語化できません。
・なぜ家に帰れないのか
・なぜ友達と会えないのか
・なぜ親が忙しく余裕がないのか
理由が分からないまま、環境だけが大きく変わります。
この「分からない不安」が、心に強い負荷を与えます。
■② 表に出ないストレスが溜まりやすい
子どものストレスは、必ずしも分かりやすく表れません。
・急におとなしくなる
・一人でいる時間が増える
・体調不良を繰り返す
「手がかからなくなった」は、決して安心のサインではありません。
■③ 避難生活は「我慢が当たり前」になりやすい
避難所や仮設住宅では、子どもであっても我慢を求められがちです。
・静かにしなさい
・走らない
・迷惑をかけない
この積み重ねが、「自分は迷惑な存在かもしれない」という誤解を生みます。
■④ 防災士から見た実際に多かった失敗
現場で多かったのは、次のようなケースです。
・親が精一杯で子どもの変化に気づけない
・「今は仕方ない」と我慢させ続ける
・学校再開まで放置してしまう
結果として、後から強い不安や問題行動が出ることがありました。
■⑤ 子どものメンタルを守る具体的な工夫
大きなことをする必要はありません。
・1日5分でも「話を聞く時間」を作る
・不安や愚痴を否定せず受け止める
・小さな役割(手伝い)を与える
「自分は必要とされている」という感覚が、心を支えます。
■⑥ 行政側が言いにくい本音
行政支援は、どうしても命と生活インフラが優先されます。
・子どもの心のケアは後回しになりがち
・専門職が不足している
だからこそ、家庭と地域での気づきが重要になります。
■⑦ 自律型避難が子どもを守る
自律型避難とは、すべてを支援に任せきらない考え方です。
・家庭でできるケアを意識する
・早めに相談する
・環境を少しでも整える
この姿勢が、子どもの安心感につながります。
■⑧ 「元気に見える子」ほど注意が必要
笑っている、遊んでいる。
それでも、無理をしている子は少なくありません。
・夜泣き
・チック
・食欲の変化
小さな変化を「成長」と片づけない視点が大切です。
■まとめ|子どもは「守られる存在」であり続ける
避難生活の中で、子どもは想像以上に空気を読みます。
結論:
子どものメンタルは、安心できる関係性で守れる。
防災士として現場を見てきて感じるのは、子どもが安心できるかどうかは「環境」より「大人の姿勢」に左右されるということです。
完璧でなくていい。
「気にかけているよ」というメッセージが、子どもの心を支え続けます。

コメント