災害というと、
「夏は暑くて大変」「冬は寒くてつらい」
そんなイメージを持つ人が多いと思います。
では実際に、
夏の災害と冬の災害、どちらが本当に大変なのか。
防災士として現場を見てきた経験から、感情論ではなく“現実”で整理します。
■① 夏の災害が直面する最大の敵は「暑さ」
夏の災害で最も深刻なのは、暑さによる体調悪化です。
・熱中症
・脱水症状
・食中毒
・感染症の拡大
特に停電が重なると、
エアコンも扇風機も使えず、
夜間でも体温が下がらない状況が続きます。
体力の消耗が早く、
短期間で一気に限界が来るのが夏の特徴です。
■② 冬の災害が奪うのは「体力と気力」
冬の災害で最も怖いのは、
寒さが静かに体を蝕むことです。
・低体温症
・血圧上昇
・持病の悪化
・免疫力低下
寒さは痛みとして感じにくく、
気づいた時には体調を崩しているケースが多発します。
冬は、
長期戦になりやすいのが最大の特徴です。
■③ 避難所環境は夏と冬で真逆になる
夏の避難所は、
・蒸し暑い
・ニオイがこもる
・衛生状態が悪化しやすい
一方、冬の避難所は、
・底冷えする
・洗濯物が乾かない
・防寒不足で眠れない
どちらも過酷ですが、
不快さの質がまったく違うのです。
■④ 命の危険度が高いのはどちらか
短期的な命の危険度が高いのは、夏です。
・熱中症は数時間で命に関わる
・水分不足が即、体調悪化につながる
一方で冬は、
・低体温症
・災害関連死
が時間をかけて増えていきます。
冬は「後から効いてくる災害」と言えます。
■⑤ 物資があっても苦しいのは冬
意外に思われますが、
物資が届いても苦しいのは冬です。
・毛布があっても寒い
・着替えが乾かない
・体を洗えない
夏は水と風があればしのげる場面もありますが、
冬は熱源がなければ耐えられません。
■⑥ 防災士から見た「実際に多かった誤解」
多かった誤解は、
・夏は我慢すれば何とかなる
・冬は着込めば大丈夫
という考えです。
現場では、
夏は我慢して倒れ、
冬は我慢して体調を崩す人が多くいました。
行政側が言いにくい本音は、
季節対策までは行き届かないという点です。
■⑦ 自律型避難で差が出るのは「季節理解」
自律型避難では、
季節ごとのリスクを理解しているかどうかが分かれ目になります。
・夏:水分・塩分・日陰
・冬:防寒・乾燥・着替え
同じ備蓄でも、
季節に合っていなければ意味がありません。
■⑧ 結局、どっちが大変なのか
結論として、
どちらが大変かは「備え」で逆転します。
夏対策ができていない家庭は夏が地獄になり、
冬対策ができていない家庭は冬が地獄になります。
大変なのは季節ではなく、
準備不足の状態です。
■まとめ|季節を知らずに防災はできない
夏の災害も冬の災害も、
質の違う過酷さがあります。
結論:
夏と冬、どちらが大変かではなく「両方に備えているか」が命を分ける
防災士として現場を見てきた経験から言えるのは、
季節を意識した備えができていた人ほど、
冷静に、長く避難生活を乗り切れていたという事実です。
今日できる最小行動は、
「夏用」「冬用」で備えを分けて考えること。
それが、本当に役立つ防災への第一歩です。

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